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2012.11 No.227  発行 2012年11月28日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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10月のニュースから

■パナソニック/三洋の液晶プロジェクタで焼損事故2件

  松下電器産業(現パナソニック)及び三洋電機が製造した「液晶プロジェクタ」の一部製品で、電源コードのコネクタ内部の絶縁劣化により、発煙・発火に至る可能性があることから、2002年〜2005年までに製造した5機種の電源コードを交換・回収することになりました。プロジェクタ本体に問題はなく、電源コード交換後、引き続き使用できるといいます。

  これまでに、2010年4月24日に神奈川県で、2012年7月22日に山口県で電源コードの焼損事故が発生したものの、いずれの事故も人的被害は無かったそうです。

  焼損事故の原因ですが、電源コードコネクタ内部の樹脂材料に含まれる難燃剤の成分が、温度・湿度等の複合条件によって、空気中の水分と反応して導電性物質が生成され、コネクタ内部の端子間の絶縁状態が劣化、稀に樹脂が炭化することで、発火するとしています。

  また導電性物質の発生は、電源コードメーカーに納入された樹脂のうち、特定期間の一部ロットで材料加工が不十分なものが含まれていたためと判明したとのことです。

  電源コードのコネクタ部分に当該ロットの樹脂を使用している機種は、松下電器産業製のTH-AE200、TH-AE300、TH-AE500、TH-AE700および三洋電機製のLP-Z3の計5機種で、当該製品を使っている方は速やかに同社まで連絡してください。

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LED電球一部にカバー割れ・ガラス片飛散の恐れ/オーム電機

 株式会社オーム電機は、ミニクリプトン形LED電球3.5W(E17口金)において、内部コンデンサーの破損によりガラスグローブが割れ、周囲にガラスの破片が飛散するおそれのあることが判明したため、商品名「ACLEDS アクレーズ」を回収することにしました。

  対象となるのは型式LB-LED-M4L、LB-LED-M4Nで、当該商品を使用中のユーザーは使用を中止し、同社まで問い合わせるよう促しています。

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ALINCO 「三脚脚立 型式KTM型」 回収&返金

 大幸薬品(大阪府吹田市)の「セイロガン糖衣A」と似たパッケージの胃腸薬を販売しているとして、同社が製薬会社「キョクトウ」(富山市)を相手取り、製造・販売の差し止めや1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、大阪地裁であり、山田陽三裁判長は「キョクトウの商品には、『ラッパのマーク』がない」などと類似性を否定して請求を棄却、大幸薬品は控訴しました。

 判決によると、キョクトウは2009年から「正露丸糖衣『キョクトウ』」を販売。山田裁判長は、キョクトウの商品のパッケージについて「大幸薬品の商品に比べ、文字の大きさ、字体、その配置なども明確に異なる」と指摘したものです。

 大幸薬品は「理解を得られず残念」とし、キョクトウは「当然の判決。今後も安全な製品を提供していきたい」とコメントしています。

 大幸薬品側は、キョクトウの商品について、パッケージのデザインや「飲みやすい白い錠剤」の文言などが類似し、「消費者が商品を混同する」と主張していましたが、判決は「正露丸」は遅くとも1954年ごろまでに普通名称となっていたと認定、同様の名称の商品は他にもあり「大幸薬品は特別な権利を持っていない」と指摘した上で、「大幸薬品のパッケージで識別機能を持つのはラッパのマーク部分で、キョクトウの商品にはその表示はない」として類似性を否定しました。

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■発がん性物質検出、農心ノグリラーメン回収

 韓国でラーメンスープなどの原料として供給されたかつおぶしから、基準を超える発がん性物質「ベンゾピレン」が検出され、韓国食品医薬品安全庁は、このかつおぶしを使用した農心など4社の9品目について回収措置を取ると発表しました。

 同商品は日本でも一部販売されており、農心ジャパンが回収を行うことにしています。対象商品は「ノグリラーメン(袋)」で、今回製品から検出されたベンゾピレンの量では、健康への影響はないとしています。

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■久米島の久米仙、「泡盛古酒8商品」回収&交換

 泡盛古酒の一部に新酒及び表示年数未満酒が混和されていたため、商品に表示している古酒の要件を満たさないとして、日本酒造組合中央会より警告を受けたことから、2004/06〜2010/02までの古酒8商品の回収を始めました。

  同社では詰口年月日に関わらず、心配のある場合には返品・交換等の対応を行うことにしています。

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■食品の商品表示誤記載、相変わらず

 韓食品のパッケージなどに表示されている、品質表示の誤記載で商品を回収するケースが相変わらず多く発生しています。スタンプの日付表示の設定を間違えたと見られる単純ミスがほとんどですが、出荷検査で発見できるはずです。それでも市場に出ていると言うことは、そもそも品質検査をしていない業者・工場が多いのかと疑いたくなります。

  商品の品質上の問題はないのですが、回収にはコストがかかるものであり、取引先の信用も落ちるなど企業の負担は多いはずです。毎月報告される誤記載を無くすよう、業界には品質管理を徹底してもらいたいものです。

10月の食品表示誤記載をいくつか拾ってみましたので、以下に紹介します。

●能古うどん 一部に賞味期限10年長く誤記載
2012年10月21〜10月22に糸山商店、能古島アイランドパークで販売した「能古うどん(USF-100/手提げ袋入)」に、賞味期限を「13.01.18」とすべきところ「23.01.18」と誤記載していたことから、回収・交換することにになりました。なお商品の品質には問題はないとしています。

●賞味期限誤記「2042年」、レーズンバターサンド回収
伊豆箱根鉄道株式会社は、2012年10月23〜10月26に販売した「レーズンバターサンド(1個入)」で、賞味期限シールに「2012年11月20日」とすべきところ「2042年11月20日」と誤記載したことから、回収・交換または返金することにしました。
係員が在庫の確認作業中に発見したとのことですが、なぜか工場の出荷検査では見つからなかったようです。

●いよてつ高島屋の「白いロールケーキ」回収
「北海道の物産と観光展」石屋製菓コーナーで、2012年10月24に消費期限表示のない「白いロールケーキ」を販売した可能性があることから、回収することにしました。

●ライジン 「牛たん入りソーセージセット」 回収&交換
「牛たん入りソーセージセット」の内装に、賞味期限を「2012.11.17」とすべきところ「2012.10.17」と誤記載したことから、回収・交換します。外装には正しい賞味期限が表示されているそうです。

●Vマークバリュープラス 「Vマーク 発芽玄米(ウェットタイプ)」 回収&返金
「Vマーク 発芽玄米(ウェットタイプ)」に、賞味期限を「2013.03.25」とすべきところ「2012.03.25」と誤記載したことから、回収・返金することになりました。

●丸繁商店 「西友4店舗で販売 磯風めかぶ」 回収&返金
2012年10月15に西友4店舗で販売した「磯風めかぶ」に、賞味期限(12.10.19)の表示がなかったことから、店舗で回収・返金することにしました。

●八葉水産 「西友汐見台店で販売 いか塩辛 気仙沼」 回収&返金
西友の汐見台店で販売した「いか塩辛 気仙沼」の一部商品に、賞味期限(12.10.25)の表示がなかったことから、店舗で回収・返金します。

●丸米製菓 「米蔵・小袋千枚 32g」 回収&交換
2012年10月09に製造、出荷した「米蔵・小袋千枚 32g」に、賞味期限を「2012年2月5日」と誤記載していたことから、回収・交換することになりました。

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