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ASPニュースダイジェスト(見本)


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ASPニュースダイジェスト
2003年2月号
発行:ASP研究所
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1月のニュースから

■箱ブランコ事故訴訟、原告の敗訴/最高裁

神奈川県藤沢市の市営公園の箱ブランコで遊んでいて足を骨折した同市の岡部咲さん
が、ブランコに構造的な欠陥があったとして、管理者の同市と遊具メーカー「上坂鉄
工所」に約410万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(横尾和子
裁判長)は30日、市とメーカーに過失はないとした2審・東京高裁の判決を支持し、
岡部さん側の上告を棄却する決定をしました。

一審の横浜地裁では岡部さん側が勝訴したものの、二審で敗訴、今回の最高裁の判決
が注目されていましたがこれで確定となりました。二審での「箱ブランコは通常の遊
び方をしている限りは安全。使用者本人も自らの危険を回避する責任を負う」との判
断には少し違和感を覚えましたが、今回の最高裁の判断はこれを追認したのでしょう
か。どのような根拠だったのか気になりますが、判断理由はいっさい明らかにされて
いないため、納得できない人も多いでしょう。箱ブランコの通常の遊び方では、「こ
ろぶ児童がいるのは当たり前」という事実を見ようとしない司法の論理はどう見ても
不自然です。
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■中電・北電の高圧配電線腐蝕問題/作業効率優先が原因?

中部電力管内の5県に敷設されている高圧配電線に腐蝕、断線の恐れがある電線が含
まれている問題で、製造メーカーの三菱電線工業が90年代、電線を覆う絶縁体を従来
製品より剥がしやすくして敷設作業の効率が上がるよう、耐水のための樹脂の成分を
変更、腐蝕につながった可能性の高いことが24日分かりました。断線事故が起きてい
た中電と北陸電力は同日、事故の発生などについて発表しました。

しかし中部電力では昨年12月から管内全域で問題の電線の敷設個所を調べるため大が
かりな調査を進めながら、「断線の可能性は極めて低い」として調査開始から1ヶ月
間住民への公表を行っていませんでした。また調査を請け負っている業者には、住民
から聞かれた際に「データ収集のための点検」などと説明するよう指示、さらに説明
を求められた場合は相手の氏名などを確認して中電に連絡するよう求めていました。
断線した電線に近づけば感電する恐れがありながら、デメリット情報を出さない電力
会社の体質が見えるようです。その利益優先の考え方は、事故が起きた場合の被害な
ど、住民の安全を配慮する気持ちが欠けているとしか思えません。

経済産業省原子力安全保安院は「断線は国への報告義務がなく、各社の自主管理に任
せている」という人任せの返事で、国の責任として国民のリスクを軽減しよう、とい
う意識もありません。各社の自主管理が適切でないときにも、「私の責任はありませ
ん」と繰り返すだけの役人気質は何とかならないのでしょうか。
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■ペースメーカー、IH式炊飯器で誤作動/厚労省注意喚起

電磁誘導加熱(IH)式の電気炊飯器が発生する電磁波の影響で、60代女性に埋め込ま
れた心臓ペースメーカーが誤作動を起こしていたことが分かり、厚生労働省は30日、
医薬品・医療器具等安全性情報に掲載して注意を呼び掛けました。

厚労省によると昨年4月、女性が医療機関で定期健診を受けた際、ペースメーカーが
リセット状態になっていることに医師が気付き、再設定をしました。ところが設定を
直してもリセットされることが続いたため調べたところ、異常が起きるのは炊事をし
ているときだけと分かりました。さらに詳しく調べた結果、家で使っていたIH式炊飯
器が原因であったことが判明、11月に同省に報告したものです。

このペースメーカーはリセットされた際、安全装置が働き基本的な機能が保持されて
いたため女性は異常に気付かず健康への被害もなかったといいます。
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■刑務所製、実は輸入品/公取委、法務省に注意

受刑者の刑務作業で製作され「CAPIC(キャピック)」のブランドで知られる刑務所
製品として、一部塗装しただけの輸入家具が販売されていたことが23日、分かりまし
た。家具業者の通報で、公正取引委員会から注意された法務省は完成品に占める刑務
作業の割合が小さく、不適切な48品目の製作と販売を中止しましたが、消費者への説
明はいっさいなく、偽ブランド品問題で高まっている商品表示への不信がまた拡大し
ました。

刑務所製品は品質がいい、ということで人気ですが、こんなところでも不正がまかり
通っているのです。「分からなければいい」とする不正表示は、公務員・役人・企業
人・身近な商店主など職種を問わず行われており、日本人の基本的な物事に対する責
任感のなさには呆れるばかりです。真面目で誠実だった日本人はどこへ行ったのでし
ょうか?一生懸命諸外国に追いつくために働いているときは良かったものの、いった
ん経済大国になった後は、ずる賢く立ち回るだけで、法律違反と知りつつ利益を搾取
しているのです。今の日本人には不正をしたらいけない、という基本的な考えすらな
いように感じます。
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■高濃度のVOC/新車内の空気、国の目標値の35倍

購入直後の新車内の空気は国の目標値の30倍以上の揮発性有機化合物(VOC)で汚染
され、目標値以下になるのに3年以上もかかることが、大坂府立公衆衛生研究所の吉
田俊明主任研究員の研究で分かりました。

自動車業界ではエアコンなどから外気が入る運転中には化学物質の濃度はもっと下が
るはずだ、としていますが、各自動車メーカーでも2年前に国の指針値が出てから研
究を始めたばかりで、対策はこれからといったところです。

よく「新車のこの臭いがたまらない」という人がいますが、普通に新車に乗っていて
も1年以上は臭いが抜けないこともあり、運転中でもかなりのVOCを吸っているようで
す。外気を入れようとしてもトラックなどの排気ガスが入るので内気を循環する人も
多いと思います。したがってメーカーのいう「運転中のVOCはもっと下がる」、とい
うのは個々のケースで大きく変わってくるでしょう。メーカーは良い条件での見解を
述べるだけでなく、乳幼児も同じ環境にさらされるということを真剣に考え、速やか
な対処をして欲しいと思います。
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■最高1億円の罰金、残留農薬違反/食品衛生法改正案

厚生労働省は27日、基準を超す残留農薬を含んだ食品の輸入や販売をした法人に対す
る罰金を、現行の最高100万円から1億円に引き上げる食品衛生法改正の要綱案をまと
めました。

罰金は企業側が違反を認識しながら輸入をしたり販売した場合に適用、違反が明らか
になった業者を迅速に処分するため都道府県知事だけでなく、厚生労働相が直接、営
業禁止や営業停止処分にできるようにするとしています。改正案はまた食品の規格基
準違反と表示基準違反に対する罰則をいずれも法人は罰金1億円以下、個人は懲役2年
以下または罰金200万円以下に引き上げています。

不正に手を染める人も、「顧客のために」という法遵守の精神が理解できずに、企業
内の職場環境などから「しなければならない」と感じる場合もあるでしょう。罰則の
強化は確信犯でもないかぎり、あえてリスクの大きな不正行為をしなくなると思いま
す。
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■アイガモは農薬ではない/農業資材審、農水相に指定を答申

無登録農薬事件を機に未登録農薬の使用を禁じた改正農薬取締法では、今まで農家が
使用してきた農薬や化学農薬でない牛乳、酢、ミツバチ、アイガモなどの扱いが問題
となっていました。問題を引き起こしたのは、同法での農薬の定義が「化学合成物質
に限らず作物の病虫害の防除に用いられる薬剤および天敵」となっているためなので
す。したがって有機農業で使用される酢や牛乳、あるいはアイガモなども対象になる
かの議論が起こり、これまで農家が使用してきた無害な資材が特定農薬でなければ使
えなくなるとの不安が続出したのです。30日に開かれた農業資材審議会では酢や重
曹、ハチなどを指定する旨の答申を出し、アイガモは特定農薬指定から外されまし
た。

しかし化学的に合成された薬剤だけを「農薬」と定義すれば、特定農薬としての分類
で混乱など生じなかったはずです。今回特定農薬として指定されなかった牛乳やアイ
ガモを使用することができなくなった場合、化学合成農薬を使わざるを得ない状況と
なるかもしれず、有機農業が広がりつつある社会の流れに逆行するものになります。
また有機農業で特定農薬であるハチや酢を使った場合、「無農薬」と表示することの
矛盾が生じ、生産者や消費者が混乱するのは目に見えるようです。

まるで「農業をするためには農水省の決めたものだけを使いなさい」というような同
法ですが、多くの矛盾が今後の問題として積み残されてしまいました。「農薬」の定
義が時代遅れなのだから「その定義を変えればいい」と思うのは、誰にでも分かりや
すく混乱もないシンプルなものだと思います。役人というものはなぜかそのようなこ
とを嫌い、今ある法律をそのまま残して他の文言や分類、細則を追加するといった安
易な対処策をとってしまいます。いわゆるつじつま合わせですが、その結果生じる
“くだらないこと”に時間と労力を使うには「多くの役人が必要だ」とでも言いたい
のでしょうか。
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■排出量取引で水質保全/米、環境保護局

地球環境保全のため各企業ではさまざまな取り組みを行っていますが、先進企業と後
れを取ってる企業間でのバランスを取るためのユニークな制度が開始されるようで
す。

米塀環境保護局(EPA)は13日、水質汚染の原因となる物質の排出枠を事業者間で売
買することで、効率的に汚染物質の排出量を減らす制度を実施すると発表しました。
これは政府が設定した目標を上回って汚染物質の排出を削減した者が、目標を達成で
きなかった企業などに余剰分を売れるようにして排出削減を推奨する政策です。排出
量取引制度は、工場や農場などから出る窒素やリンなどを主な対象として、定められ
た排出量の上限から、どれだけ下回ったかを政府が定める基準に基づいて算定するも
のです。削減目標が達成できなかった企業は、不足分を購入すれば規制値を達成した
と見なされます。
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■機内の迷惑行為に罰金/国土交通省、航空法改正へ

国土交通省は、旅客機内で喫煙したり、携帯電話を使用したりするなどの迷惑行為を
やめない乗客に対し、罰金を科せるよう航空法を改正する方針を決めました。

同省によると罰金の対象になるのは、トイレなど機内でたばこを吸う、携帯電話など
の電子機器を使用する、非常口の開閉装置に触るといった行為で、客室乗務員に対す
るセクシャルハラスメントや暴言も対象とする方向で検討しているといいます。改正
法案では、こうした行為を機内の安全を阻害する行為と規定、機長がやめるよう命じ
ても従わない場合は、着陸後に警察に身柄を引き渡し、50万円以下の罰金を科せるよ
うにするものです。
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