新・信州人倶楽部
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Iターンネットワーク 新・信州人倶楽部 |
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▲▲▲ 新・信州人倶楽部報 ▲▲▲ |
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〜転んでみなければわからないこと〜 代表 E.K. 山の緑も日増しに色濃くなり、カッコーやホトトギスの声が夏の到来を予感させてくれます。私が水面に投げた石から出来た輪も少しづつ外に拡がりつつあります。思った以上にIターンの人たちの関心が高いことがわかりました。脱都会現象はかつてもありました。私の記憶の限りでは60？70年に吹き荒れた安保改定に反対する学生運動の敗北から自らを自然の中に置きつつも反体制は捨てずイデオロギーを共有する人たちと自給自足的生活をしながら世間とは一線を引いて共同生活するというコミューンを作ったのがそれです。これらは沖縄や北海道に多かったような気がします。これはやはり中央との物理的距離が遠い点や独自の民族性（琉球・アイヌ）に裏打ちされたのでしょう。 コミューンとは多少違うものの反戦運動からの敗北でいえばフォーク歌手の岡林や高石ともやなどが一時的に田舎に引っ込んだのもこれらに共通するものがあります。共同体はその後意見の対立から次第に分裂解散していったのですが、中には形を変え無農薬野菜や自然食品の販売などをしている人たちもいます。 それ以後の脱都会現象としては高度経済成長の一端としてリゾート開発が進みました。国民全体の生活レベルも向上し一億総中流とまで言われました。そうしたゆとりの中あちこちでこの金余りを消化しようとペンションなどが建てられました。このブームにのって脱都会したのが第二次の人たちだといえるでしょう。私も一時その方面を探したこともありました。自然の中で宿を営むのは優雅なように見えますが、実情は人の休んでいるときに仕事をするわけでブームが去った今は淘汰され特色を出さないと生き残れないようです。 そして、今のIターンの現象にたどり着くのですが、私たちは何も地域と隔絶した生活をするわけではなく、信州で一旗上げようと言うものでもないと思います。地域に溶け込み普通の生活をしながら信州に根を張っていこうと言うものです。その根底には都会では得られない自然環境に加え自分らしい生き方を模索していこうと言う姿勢が見られます。しかし、一方では「さわやか信州」とは名ばかりで閉鎖的で溶け込むのに大変だという声も聞かれます。 これはある意味で事実でしょう。山国で気候も厳しい信州、平らなところは少なくやっと開墾した畑から出来る作物は限られています。塩尻に続く「塩の道」の話や動物蛋白としての「ざざ虫」「いなご」「蜂の子」などの食文化からも暖かいところとは違ってよそ者が入ると食いぶちが減るという動物的感覚から生まれるものだと思います。これは私が信州に生まれていても当然生まれるもので、長い間受け継がれてきたと言えるでしょう。それが交通網が発達し食料も豊富になった今もその子孫の遺伝子には書き込まれていると思います。 新天地には必ず人が住み生活を営んでいます。自分の考えだけを強制することは許されません。かといって間違いは主張していかなければ納得いきません。愚痴だけを言うのではなく問題解決に努力しましょう。そして受け入れる努力もしましょう。今後この会がどういった方向にいくか私もわかりません。集まった仲間から新たな発想が生まれることもあると思います。当面は親睦を図ることから始めますが、機関誌を通してIターンの人にしか見えない信州の伝統文化、食文化の発掘、気候や方言についても考えていこうと思っています。 また、今後Iターンしてくる人たちの総合的シンクタンク的役割も果たせたらと思っています。ぜひ、皆様の活発なアクションをお待ちしています。会への不満やこうしたらという意見をどんどん出してください。よろしくお願いします。
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