| 東洋経済オンライン(2026年1月21日)から紹介します。
あなたが毎日口にしているその食品、成分表示を見たことはありますか?健康に気を遣う人なら、食品添加物が気になっているかもしれません。
10万人の腸を見てきた内視鏡専門医・平島徹朗氏、秋山祖久氏に、専門医の立場から「これだけは避けたいワースト3」の食品添加物を教えてもらいました。あれもこれもダメ…と不安になる必要はないですが、意識して配慮することで自分の健康を守れます。
本記事は2人が上梓した『腸疲労40代から必要な消化・吸収の新習慣』から一部抜粋・再構成してお届けします。
■食品添加物は腸内環境を荒らす!?
「先生、食品添加物って、結局どれが危ないんですか?」我々が日々クリニックで、患者さんから受ける質問の一つです。健康への意識が高まってきた昨今、「食品添加物」への関心も多く寄せられます。体内に摂り入れるものに対して、安心安全を求めるのは当然です。
特に我々内視鏡専門医が最も懸念しているのは、腸内細菌への影響です。
腸内に住む約38兆個の微生物たちは、これらの化学的に合成された異物(食品添加物)をどう処理していいかわからず、そのバランスを大きく崩してしまうのです。
とはいえ、今回は、「あれもこれもダメ」と不安を煽るのではなく、専門医の立場から、自身の健康を守るために「これだけはNG」と意識して避けている、ワースト3の食品添加物を、その理由とともに紹介しておきましょう。
■ワースト3位は合成抗菌剤
ハムやソーセージ、お惣菜、栄養ドリンク…など多くの商品が並んでいます。それらの驚くほど多くの食品に「保存料(ソルビン酸K、安息香酸Na)」と書かれていることに気づくと思います。これらは、食品を微生物や雑菌の繁殖から守り、腐らないようにすることが役目です。つまり、ソルビン酸、安息香酸は強力な「抗菌剤」なのです。
私たちの腸の中は、善玉菌をはじめとする膨大な数の微生物が暮らす広大なお花畑(フローラ)です。ここに、強力な抗菌剤である合成保存料が入ってくるとどうなるでしょうか。彼らは、良い菌(善玉菌)と悪い菌(雑菌)の区別などできません。人間の腸内にいる大切な善玉菌たちまで、根こそぎ攻撃してしまうのです。特にソルビン酸は、腸内細菌を減少させることが研究でわかっています。
■ワースト2位は合成着色料(タール色素)「代謝産物」の毒性に要注意!
合成着色料はお菓子や漬物、清涼飲料水の色を鮮やかに見せてくれます。しかし、その多くは、石油を原料とする「タール色素」なのです。「赤色◯号」「黄色◯号」と表示されるこれらの化学物質は、それ自体にも発がん性などのリスクが指摘されていますが、内視鏡専門医として注目したいのは、腸内細菌によって分解された後に生まれる「代謝産物」の毒性です。
近年の研究では、おそるべき実験結果がでています。赤色40号(日本で広く使われている赤色3号も同系統)をマウスに与えたところ、腸内細菌がそれを分解する過程でできた物質が、大腸の粘膜細胞のDNAを損傷し、腸内で炎症を引き起こしたことが報告されているのです。
また一部の合成着色料は、腸内細菌によって分解される過程で、腸の粘膜を刺激したり、腸壁の細胞にダメージを与える可能性のある代謝産物を生み出すことが指摘されています。
特に、緑色3号や黄色4号は、EU(欧州連合)域内では使用が厳しく制限されたり、アレルギーなどに関する警告表示が義務付けられたりしています。それにもかかわらず、日本では一部の清涼飲料水やお菓子などに使われているのが現状なのです。
■ワースト1位は人工甘味料
「ゼロカロリー」「糖類ゼロ」を謳う商品には必ずと言っていいほど使われているのが、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウムです。じつは、これらの人工甘味料は、人間の消化酵素では分解されず、そのまま腸に到達します。その結果、腸内細菌のバランスを直接的に破壊する、悪玉菌のエサとなり、「腸漏れ」を悪化させるという、二重のダメージを腸に与えてしまいます。
「腸漏れ」とは、腸の粘膜のバリア機能が壊れ、有害物質が体内に漏れ出しやすくなる症状で、近年特に注意すべき腸の不調です。
さらに、本当の恐ろしさは、脳と腸の連携を混乱させることにあります。人工甘味料を摂取する際、舌は「甘い!」という信号を脳に送りますが、腸からはいつまで経っても「糖(カロリー)が来た」という信号が届きません。
この「甘みとカロリーの空振り」が繰り返されると、脳は食欲のコントロールを失い、血糖値を下げ、脂肪を分解するインスリンの分泌リズムが乱れてしまいます。その結果、ゼロカロリーの商品を選んでいるのにかえって太りやすく、さらには糖尿病のリスクを高めることさえあるのです。
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