Iターンネットワーク

新・信州人倶楽部


▲▲▲ 新・信州人倶楽部報 ▲▲▲



第52号

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〜会報の構成について〜

 会報では会員相互の利益につながることを目的として、倶楽部発足以来、会員の仕事に関わることや農産物などの紹介・宣伝を奨励してきましたが、本文中での紹介文は積極的に出しにくい、という方もいらっしゃるようです。

 そこで2月の編集委員会で会報のページ構成などを検討した結果、会報最後のページを「伝言板」として皆さんの情報を載せることにし、次号会報から始めることになりました。

 掲載内容はとりあえず「どんなジャンルでもOK」ということにしたいと思います。会員の皆さんに伝えたいちょっとしたお知らせ、案内、紹介などで、「売ります・買います」や農産物販売、自分の仕事の紹介、仕事の請け負い、山登り・スポーツ・旅行・温泉巡りなどの参加者募集、音楽会・美術展・書籍・同好会・サークルなどの紹介、使ってみて分かった良い製品などの得々情報、何でもいいです。

 編集上「てにをは」や、若干の訂正などはさせていただきますが、皆さんの持っている情報をぜひお寄せ下さい。

〜みたぼら通信〜 伊豆家の便り>

 

第377号 1月1日 霜降
 背中に当たる日差しにぬくもりを感じるようになった。春に向かって日差しが延び始めたことを背中が喜んでいる。何気ない一日がやって来て、何気ない一年が始まる。今年こそはと決意をしてみても、忙しい今日の仕事を片付けるとすぐに夜。元旦だけの決意と、元旦だけの目標を今年も掲げてみる。


新しい朝が来る、一年の始まりの朝
何の変哲も無い朝がいくつもやって来て、
何の変哲も無い一年が過ぎる。
そして顔の中に一年一年が塵芥のごとく残ってゆく。

昨日と同じような今日があり、今日と同じような明日があることを、喜んでいいのか悲しんでいいのか…。若者なら悲しみ、老人なら喜ぶ。中途半端な私は笑う。


 春が来て夏が来て、秋が来て冬が来る。そして地球はまた一つ歳をとる。45億と一年。

 地球の歳月にとっては、あっても、無くても同じ様な一年。大海の一滴のような一年が過ぎる。草や虫にとっては永遠であり一生である一年。私にとっては一瞬であり永遠の今日。

 今年という新しい皿に何を盛るのか、何もない皿を手のひらでなでてみる。去年が何であったのか自分に問うことはしない。

 皿の上に無意味を載せ、サロメの笑いを笑う。雪のように時が降る。積もることの無い時が降る。雪の中へ消された思いを春の日差しの中で見つけたならば、ズボンのポケットの中に入れておこう。歩くたびに脚に当たる何か…。思い出さなくてはいけない何か。忘れてはいけない何か…。
 あなたのポケットの中にもあるでしょ。(光男)

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 第378号 1月15日
 小さかった頃に姉と、初夢は31日から1日の夜にかけてみるものか、それとも1日から2日の夜に見るものを言うのかで、けんかしたことがあった。「一富士、二鷹、三なすび」は、いったい誰が言い始めたのか。友達が言っていた。「富士山と鷹はいいとして、なすびの何がめでたいの?」

 
私は、初夢のなかでなぜかクリスマスに戻っていて、友達が遊びに来ている。テーブルには見たことも無いほどの数のホールケーキが並んでいて、友達は飲むように次から次にケーキを平らげている。次第に私は心配になってきて、「そんなに食べたら死んじゃうよ!」と友達に忠告するのに、友達はお構いなしに「何言ってるの、まだまだいけるよ」と笑っている。

 正月明けに遊びに来た友達にその話をしたら、「年明け早々ご苦労様」と軽く笑われた。そして気が付く、ケーキを食べ損ねたことを。「人が心配してやったのに、自分ばっかりあんなに食べて私に一切れくらいくれたって良いじゃないか、」と文句を言ってやった。

 ちょっと大人気ないとは思ったが、何だか無性に損をした気がしてならなかった。すると友達はにっこりと笑って、「クリスマスにあげたプレゼント返して」。「どうもすいませんでした」、何だか今年1年損をしそうな気がしてきた。

 結局5日間ほど泊まっていった友達に、初詣に行ったのか聞いてみた。「は?そんなもの行かないよ、仏様信じてないもの」。「じゃあ、何を信じてるの?」と聞くと、「あみだの神様」だそうです。確か以前は、素っ頓教の熱心な信者だったはずです。ひょっとしたら教祖だったかもしれません。

 今年が良い年であることを、心よりお祈り申し上げますが、保証はできかねます。(より夏)?

 ここ3日の温かい日差しに、洞の日陰の雪もすっかり融けた。豪雪の重さは、暮らしたことのない人には分らない。雪国から逃げ出していて良かったと、テレビを見ながらつくづく思う。

 「朝、三時に起きて雪かきをしてるんな。伊豆さんが居なくなったら、雪が沢山降るようになった。」小谷村に住んでいた頃の、お隣の老夫婦に電話するたびに、言われる。

 豪雪の様子を伝えるテレビのレポーターを見ると、「お前もスコップを持っていって雪を下ろせ」と言ってやりたい。

 今日も我が家の上空を自衛隊の飛行機が飛んでいく。雪に埋もれて困っている老人がいるのに、エネルギーは正しく使ってほしい。国民の安全を守るはずの軍隊が、暮らしの危機に出動しないのは、どうしたことなのか。家がつぶれ、中に人が埋もれたなら雪かきをすることになるのだから、つぶれる前に雪かきに出ればいいのに…。(光男)

 我が家の毎日変わらない暮らし、玉子を拾い箱詰めし、エサ・水をやり、他の動物の世話をする。お正月もそれは変わらない。家族全員で旅行したことはない。それは、時にやれやれという気分にもさせた。

 しかし、変わらない暮らしの良さが毎年しみじみと分かるようになってきた。若いときの、変化を求めていたときには理解できなかった何か、歳を重ねることで分かる何か、こんな気分はまだ体力があるうちだけなのか。今年も楽しく働こうと思う。(光枝)

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第379号 1月30日
 やっと先日、終末試験が終わりました。ああ、疲れた。2週にわたって毎週末、名古屋に通い、「都会ってどうしてこんなにお金が掛かるの?」と首を傾げつつ、漢字が思い出せなくなったり、公式が思い出せなくなったり、自分の名前が思い出せなくなったりしつつ、なんとか無い知恵を振り絞りきってきた。

 けれど、一つ分かったことがある。前回の試験で10点台という、とってもまずい点数を叩き出してしまった同級生は、笑いながら「イヤー、私留年しそう!」と言う。他人事ながら少し心配になった。危ない人ほど何故かのんき。のんきだからこそ、そういう状態に陥っているのかもしれません。通信高校では(他の学校でもそうかもしれませんが、)ある程度の危機感は必要なようです。

 今回の試験は、学校と提携している協力校で行われました。地下鉄の駅を出ると、私たちと同じく試験を受けに行く人たちが、ぞろぞろ学校に向かって歩いていました。見るとすぐに分かるのです。みんなお通夜に行くような顔をしてます。

 けれど、こういうところでも女の子達は、楽しそうにおしゃべりに興じている。ちょっと羨ましいくらい、のどか。私ら合宿組の集中生は、毎月協力校に通う人たちとは別の部屋をあてがわれます。廊下の一番奥の部屋。日当たりが悪くても、さすが私立。冷暖房完備でホッカホカ。クラスメイトは、相変わらず早くも弁当を食べている人やら、携帯電話をいじっている人やら、寝ている人やら、勉強している人もちらほら。これから試験とは到底思えないくらいのんびりしています。

 試験は日曜日なので、先生はご苦労なことに休日出勤。大体私らと同じくらいの時間に登校です。でも、校門前で見る先生は何だかしょぼくれた、何処にでもいるオジサンみたいです。けれど、答案を抱えて教室に入ってきた先生は、同じ人とは思えないくらい、ちゃんと”先生”の顔をしているのです。どこかで変身したみたいです(でなければ、別人か)。

 そして、チャイムがなると同時に試験開始。これに私の進級が掛かっているかと思うと心臓はバクバク。とにかく問題をざっと見て、すぐに分かるものから順々に答えていきます。テストの鉄則、分かるやつから解きましょう。めでたい頭の私は、解答欄が埋まるだけで何だか嬉しくなってくる。「ああ、大丈夫そう」と、何の根拠も無く安心していたりする。

 そして家へ帰ってきて思うのです。ああ、嫌だなー。私の答案行方不明になってくれないかなぁ、特に理科とか数学とか。悲しいかな、そんなことあるわけないのです。住所も名前も生徒番号まで書いた私の答案は、迷うことなく私の手元に戻ってきて、もう笑うしかない。とにかく、お願いだから追試はイヤ!(より夏)



〜美味しい味を、すこし(31)〜

中澤 滋


 私は若い頃、仕事でサウジアラビアに3年ほど駐在していたことがあり、そのため中近東の料理・味にはちょっとうるさいほうです。中でもカレーは煮込むだけという男の簡単料理のため、帰国してからもたびたび作っていましたが、本格的に味にこだわり始めてからは、まだ15年くらいでしょうか。

 それでも月に1度くらい作るカレーは客人の評判も良く、また女房はお弁当に数人分を持っていき同僚に食べてもらいますが、レシピを求められるほどになっています。
 ということで、いくつかあるカレーのレシピの中から、今回はヨーグルトでつけこんだ鶏肉を使った、チキンカレーを紹介します。

チキンカレー


<材料>

骨付き鶏もも肉(ぶつ切り) 600グラム
プレーンヨーグルト カップ1/2
クミンシード 小さじ1/2
玉ねぎ(みじん切り) 3個
ニンジン 2本
ナス 2、3本
にんにく(すりおろす) 2かけ
しょうが(すりおろす) 1かけ
 チリパウダー 大さじ1.5
 ターメリック 大さじ1
 コリアンダー 大さじ2
 カイエンペッパー 大さじ1
トマト水煮缶 1
ガラムマサラ 大さじ1
マンゴーチャツネ 大さじ3
オリーブ油 大さじ4
バター 40グラム


<作り方>
 ボウルに鶏肉を入れて、塩適宜をまんべんなくまぶし、下味をつけます。そこにヨーグルトを加えて鶏肉全体にからめてそのまま寝かせます。

 鍋にオリーブ油を熱し、クミンシードを入れて中火で炒めます。クミンシードが黒くなってきたら、にんにく、しょうが、玉ねぎとバターを入れます。5分ほどいためたら水100Mを入れて、さらに炒めます。そして玉ねぎ全体が焦げ茶色になるまで40分以上炒めます。カレー作りではこの玉ねぎの炒めが最も大事で、根気よくやるしかありません。

 玉ねぎが十分炒まったら火を弱火にして、かっこ内のスパイスを加え、少し香りがでるまで炒めます。

 次に鶏肉をヨーグルトごと鍋に入れ、ときどきかき混ぜながらスバイスと鶏肉が十分からまるよう約10分炒めます。

 トマト缶を加えて混ぜ、水カップ3を入れてニンジン、ナスを加えて弱火で2時間ほど煮ます。途中水が少なくなったら、ひたひたより少ないくらいまで水を足します。

 塩、コショウで味を調え、マンゴーチャツネを加えてさらに30分程煮込みます。このときカレー味が少ない時は、カレー粉を入れてもいいです。この状態で火を止め、そのまま寝かせます。できれば次の日まで置くと最高ですが、最低でも3時間は置いて下さい。その後、食事にあわせて温め、ガラムマサラを加え、必要であれば塩で味を調えて、20分ほど煮れば完成です。

 チリパウダーはそれほど辛くないので、辛さはカイエンペッパーで調整してください。なお次の日も煮込みを続ける場合、肉がばらけて塊がなくなるので、途中で取り出して最後に鍋に戻します。牛すね肉の場合は最低でも5時間以上煮込み、肉が柔らかくなったことを確認してください。

 夏場は地場産の旬のナス、ズッキーニ、完熟トマト、インゲンなどが出回るので、野菜たっぷりのカレーが美味しいです。

 なお日本ではじゃがいもをカレーに入れる人が多いのですが、じゃがいもを噛んだ瞬間にカレー味が途切れるなど、カレーの醍醐味を壊すので私はお薦めしません。カレーとご飯の一体感を味わうため、どうぞじゃがいもは入れないで下さい。

 「どうしてもじゃがいもが好きだ」という方は、ポテトケーキなど、じゃがいもを主食として利用し、カレーを楽しんで下さい。


編集後記

 イタリアトリノで冬のオリンピックが開催されています。早いもので、長野オリンピックが開催されてから8年が経ったことになります。オリンピック時にピークを迎えた長野県の経済も、その後は反動で長期低迷を続けており、宴の後の静けさといった状態です。相変わらず各地で大型イベントや公共事業の誘致合戦が続いていますが、これから本格的な人口減少時代を迎えます。そろそろ旧来の公共事業主体の政策から脱皮し、市民ひとりひとりが自立した個人として主体的に考えなければならない時期だと、あらためて強く感じました(宮)


 私の仕事場は穂高の街中ですが、白馬や鹿島槍などの美しい北アルプスの峰々を事務所の椅子に腰掛けながら望むことが出来るのは嬉しいことです。電線などの障害物(?)がなければ理想的なのですが、まあそれを望むのは贅沢というものですね。素晴らしい自然景観も人工物との調和がうまく取れなくては感動も割引になってしまいます。建築を生業とする私も、景観を大切にした納まりを常に考えなくてはと思う今日この頃です(高)

 少子化の問題が叫ばれながら、地域から小児科や産科・婦人科のある病院の減少で困っている方が多いようです。伊那や安曇野地域では、こんな現状に対する危機感から、草の根の運動が起きています。先日、この問題で元会員のKさんの名前を新聞紙上で発見。元気に活躍されているようだったので、次の日に励ましの連絡を入れました。
 さて最近の中日新聞記事ですが、飯田市がこの4月から、結い(U・I)ターンの窓口を新設、子育て世代の若者を定着させる方針を発表しました。子供を授かり、そして子育て、教育といった、さまざまな環境でのフォローが期待されます。
 ところで団塊の世代がいずれ田舎に押し寄せてくるかも知れない中、Iターンを歓迎する長野県の各自治体はどのように彼らの行動をとらえているのでしょう。今後の中期ビジョンでも、明確な考え・対処策を明らかにしていないところばかりだと思います。
 一部の消費財や飲食業の売り上げは増加するかも知れませんが、地域の活力につながる施策を真剣に考えているのでしょうか。場所にもよりますが、別荘地のように地域の町会などに参加するのを拒む人も多いと聞きますから、自治体の負担が増えるだけ、というのでは困ります。お互い、「利用する」という考えではダメだと思います。(中)

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