Iターンネットワーク

新・信州人倶楽部


▲▲▲ 新・信州人倶楽部報 ▲▲▲



第61号

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総会報告

中澤 滋


 倶楽部総会は4月13日、松本市梓川の梓水苑で行われ、14名の参加をいただきました。ここでは承認を得た議事の概略をお知らせします。

 今まで事務局として3名で運営していましたが、対外的な窓口としての代表・事務局を明確にするため、私が代表・事務局に選任されました。

 今までと実務的には同じですが、Iターンする方のサポート団体として長野県のNPOに登録されていることから、外部からの問い合わせや取材申し込みの際の説明が少し楽になります。

 例会などでのボランティア保険に昨年度から加入をしたこともあり、今年度から倶楽部会費を正会員と家族会員に分けることにしました。家族会員の会費は、500円と1000円との意見がありましたが、今回は初年度ということもあり500円にすることに決まりました。正会員は今まで通り2000円です。

 倶楽部の規約も現状に合わないところが多くなったため、今年度に改正案をまとめることが事務局より報告されました。

 さて昨年度初めて試みた地域ごとに企画する例会ですが、今後も続けていきたいと思います。ただ「企画したのに参加者が少ない」と残念がる意見もありました。事務局が企画してもそのようなことは多くありましたので、例会を企画することの難しさと負担について、皆さんにも理解していただきたいと思いました。

 例会開催を事務局に頼るのではなく、グループ・個人に関わらず、会員の皆さんの企画で活発な活動ができるよう、今後も協力をお願いいたします。

 昼食後は、松本市梓川地区の自然と文化を巡る企画に6名の方が参加、案内人ご夫妻の、合計8名で梓川沿いの自然豊かな地域で自然観察をしました。

 その後上野地区を巡り、最後は案内人の奥様のご縁から、長野オリンピック時にサマランチ会長へ「木目込み人形」を贈った先生のお宅にうかがうことができ、素晴らしい作品の数々を見せていただきました。

 天気はあまり良くなかったのですが、今回参加された方々には、当日配付の資料を参考に他の季節などに再度訪問していただけたら嬉しいです。。


〜リレーコラム〜安曇野編(4)〜

安曇野ブランドとまちづくり

高松 伸幸

 全国各地、どんな場所にもさまざまなかたちの個性があります。近年、“地域ブランド”という言葉をよく耳にしますが、各地の個性的な生産物や環境資源、また取組む事業形態そのものといった個性が地域ブランドとしてさまざまな形でPRされている状況を見受けます。

  安曇野市においても地域特性を活かしたブランドを考え、活動を行い、そして市内外の人々にアピールして行こうとさまざまな取組みが行われ、昨年より市行政で新たに地域ブランドに取組む専門の部署が配置されました。

  『安曇野ブランド推進室』
昨年4月、安曇野市に新しく設立された部署で、安曇野のブランド構築を受け持つべく民間出身の室長を迎えて諸々の活動をスタート。同8月には具体的に実践していく組織が創設されました。

  『安曇野ブランドデザイン会議』
これは市民の立場で安曇野ブランドを考え、創造し、そして活動実践していくために発足した組織で、このなかで大きく5つのジャンルに分類された部会が設立されています。

  「産業」「福祉」「環境・景観」「観光」「地域づくり」
これらの部会では発足から1年を経ていない現在でもすでにさまざまなプロジェクトが提案され、具体的に活動を始めているプロジェクトも幾つかあります。またブランドデザイン会議自体が行政施策の枠組みから生まれた組織とはいえ、その実践部隊とも呼べる各部会は会議に参加する一般市民の自主的な運営に委ねられており、そうした取組みそのものがある意味では安曇野の新しいブランドと呼べるかもしれません。

 上述したプロジェクトには現在次のような取組みがあります。
「黒豆」「菜の花」
「広域観光推進」「安曇野かるた」
「市民活動センター」
「安曇野モデル<住宅>」
また最近では
「既存商店街活性化」
「拾ヶ堰景観形成」
「ぬかくど隊」
などが新たに加わり、それぞれがプロジェクトの方向性を模索しつつ、実行できる部分からすでに実践活動の行なわれているものも出始めています。
幾つかのプロジェクトを紹介すると…。

 「黒豆プロジェクト」は安曇野産黒大豆の特産化と普及を目指し、加工業者の開拓や栽培の拡大などを目標に掲げている活動。
「菜の花プロジェクト」は菜の花・菜種油の有効利用と拡大による循環型社会の普及を目指そうというもの。
「安曇野モデル<住宅>プロジェクト」は生活環境・景観などを多角的視点で捉え、およそ1年の間に市民から意見を伺いながら安曇野らしさ溢れる住宅の具体的事例(実際に在る宅地を利用した企画設計を行う)を形作ろうというもの。
「ぬかくど隊」は“ぬかくど”と呼ばれる籾殻を燃料にする専用のかまど(安曇野では昭和中期頃までは広く普及していた)を用いて炊く米(ぬかくどごはん)の美味しさを広めようというプロジェクト。
こうした様々なプロジェクト=ブランドデザイン会議の位置付けの大きな特徴は、決して特産物の販売促進や観光だけに特化したものではないということがあげられます。もちろん黒豆の販促や広域観光といった農商工観光業といった各種産業の発展も重要なテーマですが、それと同時に大切なテーマとして掲げられているのが、安曇野という地域で育まれてきた伝統文化の継承、市民の福祉向上や地域コミュニティの形成と発展などです。

 安曇野の外に向かって情報発信することより以前に、なによりもまずそこに暮らす自分たちが安曇野という地域のことを深く知り、よりよくしていこうと考え、実践し、そして今まで以上に安曇野で暮らすことに誇りが持てるようにして行きたい。そんな思いが込められたブランドデザイン会議であり、プロジェクトであるわけです。

 各種プロジェクトを実行していくことは決して順風満帆ではありません。安曇野ブランドと言われて市民や行政の皆がすぐさま同じ絵を頭に思い描けるわけではないですし、ブランドデザイン推進室が誕生した際にも“ブランド推進=特産品拡販と観光事業の支援”としてのイメージを抱くだけの人も少なくなかったようです。

  現在では実践の始まった各種プロジェクトの特徴が広報誌やメディアによって告知されるのに合わせてそのいささか偏ったイメージは払拭されつつあるようですが、幾つかのプロジェクトでは価値観の相違などからくる意見の対立や市民主体であるが故の議事運営の難しさが顕在化しつつある様子ですし、そうしたなかでこれからも各種のプロジェクトを発展させて行くには地道な努力と粘り強い市民向け啓蒙活動の継続が必要であることは言わずもがなでしょう。
ブランドデザイン会議の参加メンバーは任期のある存在。プロジェクトも一定の目標達成や期間の経過状況などによって解散することにもなるでしょう。ですがブランドデザインや各プロジェクトの本質は短期間で終わるイベントなどとは違い、そこからまた更に新たなブランド創出と地域づくり=まちづくりの発展に繋がる可能性をもつ取組みとして継続されていくものであると考えられると思います。
またプロジェクトの運営が市民主体であることは既述の通りですが、プロジェクト立案も行政ではなく市民主体で、今月の半ばにはまたひとつ新たなプロジェクトが市民側の発案によって立ち上がることが決定しました。

 「屋敷林と歴史的まちなみプロジェクト」。
安曇野を特徴付けている屋敷林の存在と、それらによって形成される集落の風景を地域の歴史的資産として考察し、見てくれの景観保全だけでなく安曇野らしさあるまちづくりに役立つヒントやきっかけを掴んでゆきたいと考え、そして実践活動を通じて市民にアピールしていこうというプロジェクトです。

 ブランドとは地域の誇りであり、私たち市民の暮らし方そのもの。さまざまなプロジェクトを通じた安曇野の魅力再発見の活動はまだ始まったばかり。新信州人倶楽部の皆さんも、それぞれの暮らす地域の魅力再発見を楽しみながら、地域ブランド=地域力を高める行動を実践してみませんか。

 今回の記事にて、リレーコラム安曇野編は終了です。一年間ありがとうございました。リレーコラムのコーナーは今後も継続します。次回からはまた新たな視点の記事を発信して行ければと考えていますので、どうぞご期待ください。


〜美味しい味を、すこし(33)〜

中澤 滋


 ご無沙汰していましたが、久し振りのコラムです。
  昨年11月、用事があり東京で一泊したとき、帝国ホテルの「オールドインペリアルバー」に行き、おいしいお酒を飲みながら、メニューには無かったものの、ニシンの酢漬けがあるかを尋ねて、「ありますよ」というので食べてきました。
じつは、数年前に女房が同じ場所で友人と一緒に食べたそのニシンの酢漬けがとても美味しくて、今回も食べてみたい、と言うのがきっかけでした。

 しかし今回はそれほど感動することもなく、フレッシュ感が無いような味で、少し残念でした。
 信州でもたまに生のニシンが店に出回ることがあります。輸入物の解凍ニシンは食べませんが、生ニシンはとても美味しいので、あれば必ず購入して塩焼・煮付けなどにしてきました。ほんとうは産地のようにニシンの刺し身を食べたいのですが、この辺りではちょっと無理です。

 でも酢漬けはまだ作ったことがなかったので、さっそくレシピを探したところ、15年以上前の本にあり、それを参考に作ってみました。
 2、3度作って、少しアレンジしてみたところ味も落ち着いてきたので、今回皆さんに紹介してみます。

ニシンの酢漬け

<材料>
ニシン 4匹
 ローリエ 5枚
 玉ねぎ(薄切り) 1/2個
 ニンジン(千切り) 5cm位
 セロリ(薄切り) 3cm位
 ニンニク(薄切り) 1かけ
 粒コショウ 少々
 塩 小さじ1
 白ワインビネガー カップ1
<盛り付け用材料>
 玉ねぎ(極薄切り) 1/2個
 ケッパー 少々
 サワークリーム 大さじ6位
 サラダ菜など 適量


<作り方>

 三枚におろしたニシンに塩大さじ2をふり、ローリエ3枚と粒コショウを少し散らして軽い重しをして2時間くらいおきます。

 玉ねぎ、ニンジン、ニンニク、粒コショウ、塩とローリエ2枚に、水カップ2を煮立てて冷まし、ワインビネガーを加えてマリネ液を作ります。(ワインビネガーは、マイユのラズベリー入りのものがとても良く合いました。)

 ニシンの下ごしらえが済んだら、塩を洗い落とし、水気を拭いて冷蔵バックなどに入れてマリネ液を注ぎ、冷蔵庫で2日程つければ出来上がりです。
 半日後くらいから食べられるので、味の違いを楽しむのも面白いです。

 さて盛り付けですが、サラダ菜などを敷いて、スライスしたニシンを重ねておき、その上に水にさらした玉ねぎの薄切りを乗せ、ケッパーをちらして、サワークリームをそばに添えれば、上品な1品の出来上がりです。ニシンと玉ねぎを、サワークリームと一緒に食べてみて下さい。酢漬けニシンの爽やか美味しさと香りが口中に広がり、サワークリームとの相性の良さもわかります。

 料理好きな方には、ちょっとおしゃれなニシンの食べ方をぜひ試していただきたいと思います。
ここで紹介したワインビネガーとサワークリームですが、私は松本市のツルヤ渚店で調達しました。

 


編集後記

 安曇野市では民間公募による室長を迎え、昨年4月に「安曇野ブランド推進室」が設置されました。8月には「安曇野ブランドデザイン会議」が設立され、「産業」「福祉」「環境・景観」「観光」「地域づくり」の部会毎に様々なプロジェクトが立上がる等、安曇野ブランドの構築に向けて具体的に動き始めています。
 「安曇野ブランドデザイン会議」は通常の審議会等とは異なり、あくまでも市民主体の任意組織です。したがって、議論するだけでなく、行動と実践が求められているのが大きな特徴となっています。
最近は市民との協働が大きなテーマになっていますが、行政のスローガンとしてアリバイ的に謳われているケースも少なくありません。まずは市民自身が行政依存から脱し、地域に誇りを持って小さな行動を積み重ねていくことが重要なのだと思います。そして、それが一つの大きな力になった時、市民が誇りに思える、真の「地域ブランド」が確立されることになるのでしょう。(宮)

 これからの季節、嗜むアルコールはやっぱりビール… が一般的かもしれませんが、私は夏場でもけっこう日本酒も楽しむクチだったりします。去る4月〜5月に行なわれた平成19年度全国新酒鑑評会にて各地の蔵元から出品された日本酒が審査され、今回は255点の銘柄が金賞を受賞しました。信州の銘柄では真澄や舞姫といった諏訪の酒や、安曇野の酔園などが金賞受賞したようです。
 熟成してこそ評価を高めるお酒もあるなど新酒鑑評会の結果だけが全てではないですが、蔵元や杜氏にとってはやはり名誉ある受賞といえるのでしょうね。飲み手としては鑑評会の評価に捉われることなく気に入ったお酒を楽しく嗜み続けて行ければそれでいいかなと思いつつ、日々ほろ酔い加減を楽しんでいます。(高)

 畑の作業が始まると、猛禽類もよくみかけるようになります。畑近くの木に同じチョウゲンボウがいましたが、ネズミなどを狙っているのでしょうか。林のなかではオオタカを何回か観察しました。ノスリも出るし自然観察ウオーキングはなかなか良いです。夏鳥もオオルリ、キビタキ、ツツドリ、カッコウ、ホトトギスなどと相次ぎ、先日はオオヨシキリが来ました。
 今年観察した野鳥はすでに65種となり、累計では95種類となっています。住宅街から200メートルくらいの河原の自然環境としては特別なものですが、地元の人の関心はあまりありませんでした。しかし最近では、引率された保育園児が大勢で遊びにきているので、彼らが大きくなったときに身近な自然に触れていたことが思い起こされれば、いいと思います。(中)

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