Iターンネットワーク

新・信州人倶楽部


▲▲▲ 新・信州人倶楽部報 ▲▲▲



第64号

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Iターン相談会・忘年会報告

中澤 滋


  今年はIターン相談会と忘年会を同じ日に設定、希望される相談者には忘年会にも参加していただくことで、さらにいろいろなお話ができる場の提供と言う企画で進めてみました。

  また、東京大学の学生さんが卒論のためのIターン研究で、数名の倶楽部会員宅を訪問したインタビューを予定していました。ただ彼女にとっては訪問するだけで大変な時間がかかることから、この機会を利用するよう調整して頂いたので、少し欲張った企画となりました。

 12月6日当日、昨年松本市との合同Iターン相談会にいらっしゃったI
さんと、最近会員になったばかりのNさん2名の相談者を迎えて、お二人を交えての座談会的な相談会で、相談者・相談員とも活発な意見が出されました。
一方学生さんは、Iターン相談会とは別のテーブルで、順次数名の方々と個人インタビューを行っていて、多くの収穫があったようでした。

 さて忘年会ですが、久しぶりの会員同士の会話もあり、料理も盛りだくさんで、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

 その後はいつものように宿泊用の部屋での二次会です。今回はお酒を飲まない方からも二次会会費を集めて、美味しいクッキー・お茶などで楽しんでいただきました。ほとんどの方が二次会にも参加して頂き、会話の弾むこと、弾むこと…。時間の過ぎるのを忘れてしまいました。
 気がついたときにはもう夜も更けていて、それに気づいた皆さん(私を含めてですが…)慌ててお開きとなった次第です。

 今回は相談会に合わせた忘年会として、外部の方2名をゲストを交えての新企画でしたが、Iターンについての話がいつもより多く出て、活発な意見交換につながったようです。

 また前回のバーベキュー例会と同じように、若い3家族の参加があり、赤ちゃんを含めた子供5名を交えて、賑やかで華やいだ感じの忘年会でもありました。


〜リレーコラム〜

新天地にて

小池 義一

 東京暮らし35年にサヨナラ、家族ともさよなら。信州最南端の天龍村に居を構えて早6年、能天気なプアプアライフの奮闘記。御用とお急ぎでない方、暫くお付き合いを…。

 私は以前、東京多摩地区で小さな美容サロンを営んでおりました。40過ぎの頃より望郷の念か、老後は田舎暮らしにと夢を持ち、そして準備を着々。田舎、高齢…、そうだ健康産業だと整体に着目し学校通いに中国研修、あげくの果ては吉祥寺に実験店と…。

 また、その頃同時進行の繭の灯りの製作にも夢中、蚕の直張り法のランプシェードは、先駆なる者が見つからず、それならばと試行錯誤十余年、各メディアに取り上げられるも、ビジネスには疑問符。それじゃぁ田舎で花を咲かそうと研究開発続行。

 なんやかんやで本業おろそか左前、バブルも弾け、ダブルパンチ、丁度ここらが引き際と幸か不幸かアッサリ引き倒す。家族かんかん、私はニッコリ知らん顔。以上前節。
いよいよ待望のJターン(安曇野生まれ)、田舎暮らしが始まりました。まずは前職を生かした費用かからぬ出前美容室オープンだ。早速行動、村会議員の先生に直談判、「素晴らしい、ここは県下一の高齢者村。ぴったりだ俺にまかせろ」と、とんとん拍子。

 されど待てど暮らせど音さた無し、しびれ切らせて連絡取ると、のらりくらりのご返答。多分おそらく地元業者の反発配慮で、腰くだけ。次の手はローカル新聞無料記事、続いて県下一の信毎に掲載だ。

 それが思わぬ余波を生む、県美容師会を刺激して出前美容室阻止? 美容師法はサロン以外の施術は原則禁止、例外規定の病気、障害等方は除くと知ってか知らずか、県衛生部を動かし実態調査を求められる始末。黒船が来襲した訳ではあるまいし、ただの難破船なのに、同業として情けないやら恥かしい限り。大山鳴動して鼠一匹、も無し。

 唖然呆然戦意喪失。ここでめげては男の恥と、からめて作戦。介護業界に接近、ヘルパー2級講座受講、往復100km週2回3ヶ月。自作のシャンプー器で技術を披露するも目的果たさず、ところが嬉しい誤算、有料宣伝しても効果まったく無しの整体稼業が生徒仲間に広がり、受講費用、1年かけて回収できました。万歳! 今年は資格を生かして障害者施設で時給800円で時々バイト、100kmの道のりものともせずに頑張っています。

  本命のクラフト業、繭の灯りは峰雷太の故郷、下條村で蚕を調達、そして創作一筋、夕刊に大きく報道。しかし驚くなかれ、この地では夕刊配られず駅売りも無し、こんなもんです超田舎では。

 飯田のテーマパーク伊那谷道中より声がかかり、「繭の灯り展」を1週間開催、遠くからはNHKで見たと中野市からや近隣からと盛況でした。これをご縁にその後4年間常設展をさせて頂きました。

 もう一つのクラフトは、移住直後に板を熱線で切る用具に出会い、悩み種のよれよれ“みみず”文字を逆手に取って、「感字」と名づけて創作活動全開だ。苦労もいっぱい涙もいっぱい、煙でね。

 ついでにもう一つ、オリーブオイルが主原料の手づくり石鹸。面白シャボンが色々、運呼(うんこ)石鹸のネーミングは自画自賛、うぐいすの糞が入ってます。極め付けのオッパイ石鹸は話題騒然! してやったり。

 されど売上げ伸びず惨敗必死。
そしてやってきました作品展のチャンスが。

 昨年11月に安曇野三郷で、ワイヤーヒートソーを使った焼き切りアート文字「ひらがなでも感字展」を開くことができました。その際は新・信州人倶楽部の皆様方にお世話になり、誌面を借りて御礼を、ありがとうございました。地縁血縁友人知人メディアも含めて総動員、なんとか黒字にこぎつけました。ささやかな成功と言うところです。
 毎年、待ちどうしい春のお話です。山菜野草、自然からの贈り物が我が家の食卓を賑わします。蕗のとう、こごみ、ぜんまい、わらびと続き、十数種類の山の幸が私の胃袋満たします。余り残りは上げて送っていっ時たてば、何故か食料に変わって戻って来ます。ありがたいネ、味をしめての毎年の行事になってます。

 四十数年ぶりの田植えでは縞蛇と鯉をゲット。縞蛇は田んぼの中でもち上げ、棒改造の蛇捕り器での初成果。皮をはがして骨砕き、焼いて揚げてのお料理は硬くてまずくて歯が立たず、二度三度火を通したら炭やせんべいもどきになりました。試食をしてみたものの、再び食べる気になりません。

 一方、鯉は焼いても煮ても、うまくおいしくエビス顔。鯉の捕り方教えます。中学1年の遠い昔の事ですが、餅焼き網とバネを使った自作の野鳥捕獲器が脳裏によぎり、ネズミ捕り器でミミズを餌にチャレンジしたら見事成功。前代未聞、新方式の鯉捕り器の誕生でした。

 最近は天竜川で川エビ取りにはまり何度も食卓に、シジミは隣町阿南の川でゲット。蚕の蛹は繭の灯りの副産物で、いづれも貴重な動物性蛋白質補給に寄与貢献。農産物は近所から、友人から届きます。時には主食の米も頂戴します。稼ぎが悪くもエンゲル係数上がらず、健全数値を指してます。

 話、変わってボランティア活動に移ります。NPOの飯田ボランティア協会の末席に名を連ね、障害者施設のふすま貼り、集会所の耐震防止装置、映画やバザーのサポート、岡谷豪雨災害への出動。

 ユニークな所では災害時に空アルミカン、食用油、ティッシュこよりで煮炊き出来ます講座で、講師を勤めます。個人でも登戸地震の時には石川の門前町まで数100kmを走破、椅子式整体用具を持ち込んで、昼は本部受付要員、夜は体育館で避難の方への癒し整体を、横浜からの整体師と2人で施術。全国からボランティア仲間との交流、喜んで頂いた上に面白い楽しい体験の数々、貴重で有意義な5日間でした。

 帰りは足取り軽く財布も軽く、恥ずかしながら途中で下車して実家で補給。以後、長距離ボランティアはパスしてます。又、近所のお年寄りのアッシー君、山菜取りに花見、病院、買い物等送迎何でもござれ、お役に立てば心浮き浮き嬉しい時を過ごします。
現在は豊田市稲式の道の駅クラフトを本拠地に半径200km位までの各地クラフトフェアに参加しております。しかし、健闘むなしくなかなか浮上せず、バイト頼みが現状です。

 バイト色々、発電所で送水管での宙づり清掃作業、砂防工事、高速道路のり面植樹、鹿害防止のネット張り。それに柿取り、畑の作業等できる事なら何でもやります・やらして下さい精神ですが、齢、61才には少々きついと本音も出ます、弱音も吐きます。
最後は趣味で続ける献血、目標掲げた300回。年齢制限、残りは7年数ヶ月、元気で居れば出来るかも。健康の今まで、これから残りの人生に感謝と祈りを捧げます。

 果て無き夢を追い続け、自由気ままなこの暮らし、いつまで続ける事は解らぬけれど、極楽トンボの甲斐性なしが、周りのみんなが支えてくれて生きて行きます、いつまでも。気が付けばこの世とおさらば石の下、これが本望合唱だ…。

 御託並べた戯言をお付き合い下さり、感謝いっぱいありがとう。信州回帰、6年の軌跡これでおしまい、看板おろします。



編集後記

 今年5月、穂高神社では20年に一度の式年大遷宮祭が行われます。遷宮とは、神社の正殿を造営した時に御神体を遷すことで、穂高神社では500年を超える伝統行事です。大遷宮祭に合わせた拝殿の建替工事も昨年末に完了し、新拝殿で迎えた今年の三が日は、例年より2割近く多い10万人を超える初詣客で賑わいました。
今年は長野の善光寺も、6年に1度のご開帳の年です。昨秋以降、長野県の経済も低迷していますが、お祭りをきっかに明るい兆しが見えてくると良いですね。(宮)

 職場のパソコンが壊れ、長期入院を余儀なくされてしまいました。残存する中古パソコンもほとんどスクラップ同然状態にあるので役に立たず、不幸中の幸いでパソコンの無料貸し出しサービスがある市の市民活動センターが近所なのでそこで文書作成などしていたのですが、あろうことか今度はセンターのパソコンまで壊れてしまいました。
今年、実はわたくし厄年なんですが、この災厄も影響があるのでしょうか。不幸中の幸いで穂高神社もすぐ近所なのでお払いしてもらったほうがよいのかもしれないと思われます。(高)

 昨今のエコブームそして環境税等々には、巧みに人々の良心の呵責をつく表面には出てこない偽善と欺瞞という恣意的なものを個人的に感じるのですが、少なくともここ松本平は縄文時代中期には温暖な気候に同期して人口が急増したとか。銀河系レベルで温暖化も考えてみると、地球の大小のリズムも妙に合点が行く気がします。
温暖化といえば、長野経済研究所経済月報によると、信州のぶどうは生食用の巨峰はすでに生産量と品質で全国一位だそうですが、近年の年間平均気温が信州はフランス・ボルドーのそれと近くなってることから、醸造用のぶどうも山梨よりも適地となってきてるそうです。まさに諸行無常ですね。評価高まる地産のワイン、今後応援していきたいです。
それと小池さん、感字アート文字ではお世話になりました。コラムからは良い刺激と元気をいただきました。ちょっと影響受けそうです…。(田)

 完全移住も3年目に入りました。松本弁も少しずつ自然とでるようになりました。『気分は信州人』。それでも、「まだまだだねー。東京の人はどこか違うだー。」と言われてます。
倶楽部の皆様、お気軽にご連絡ください。(松)

 昨年のクリスマス2週間前、初めてシュトーレンを焼きました。有機素材・自分で拾ったクルミなどを使い、ラム酒もこだわり、かなり良い出来でした。しかし多くの人にあげたところ、数日の間に残りもわずか。そこですかさず第2弾を仕込み、一週間後に焼いて、一安心。
もうパン屋さんのシュトーレンは、買わなくてもいいです。量もたっぷり、味も一流、そしてなによりも安心(笑)。クリスマスのシュトーレンは、我が家の定番になりそうです。(中)

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