Iターンネットワーク

新・信州人倶楽部


▲▲▲ 新・信州人倶楽部報 ▲▲▲



第65号

●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●●

総会報告

中澤 滋


 
今年度の総会は 4月12日、13名の参加で梓水苑で行われました。現状と合わない部分が増えてきた規約を全面的に見直したので、改正案の説明の後、皆さんの承認を得て正式発行することになりました。今会報に同封しましたので、ご覧になってください。
事務局は代表・運営委員の4名体制が了承されました。

 当日は4月に入会された新会員さんや、お子さんと一緒に参加された会員さん、離れたところでは長野市や天龍村からも参加してくださいました。

 総会では時間が無くて、いろいろお話ができませんでしたが、昼食はテーブルを懇談の場にアレンジして、12時から午後2時くらいまで皆さんとの会話が続きました。久しぶりの顔と会話、心地よい時間が過ぎていきました。


〜リレーコラム〜

新天地にて

チョコ

 子供大好き! そんな私が、子供たちにピアノを教え始めてもう40年以上経ちました。最初の生徒は、私が子供の頃よく遊んでもらったお姉さんの子供。
「Yちゃんが音楽学校へ行ったのなら、私の子供たちにピアノ教えてよ」から始まりました。教えることが大好きだった私は、張り切りました。

 今振り返れば良くぞ高校生の私に頼んでくれたもの…、と彼女の勇気に驚きます。そしてお姉さんのご主人の従妹にまで声を掛けてくださり、自分より年上の保母資格取得を目指している方にも教えることになりました。それから始まったピアノ教師の仕事です。
 
 私は小学校の先生になりたかったので、5年生の時の担任(体育会系の先生でした)が「僕のようにピアノが弾けないと困るから早く習わせたほうが良いのでは」と母に声を掛けてくださり、ピアノ教室に通うことになりました。

 もう大きくなっていたので、楽譜を読むことに困ることもなく、どんどん教本も進んでしまいました。でも私が教えることになった生徒は、たいてい小学校低学年か幼稚園児で、母親の期待と希望で習い始める子供たちがほとんどでした。

 その中で特に記憶に残っているのが、出張レッスン先の男の子。お母さんが必死で教え込んでいるらしく、お稽古が始まって思うように弾けないと耐え切れずに出てきます。「昨日は出来たでしょ!」「お母さんとやったように!」もう悲鳴のような声を掛けてきます。

 子供は益々緊張して弾けなくなります。「教えるのは私なので、どうぞ別のお部屋に」そんな私の言葉は聞こえないのか、ついには自分が手を叩いて拍子まで取り出します。まだ若かった私はそのお母さんを説得することも出来ず、手を引きました。

 似たような方は他にもいらっしゃいました。教えるのは私です。毎日お母さん教師が横に座って教えていたら、子供は音楽の楽しさも、ピアノの楽しさも感じることは出来ないと思います。

 高校生で保母さんになりたいと、急遽ピアノを習いに来た子もいました。でもいくら頑張ってもその子の指は動くようになりませんでした。1年経った高校3年の初夏、これでは到底入試に受かることは出来ないと、心を鬼にして申し渡しました。その時の辛さは忘れられません。

 その反対のような、こちらに来てからの友人の娘さんもいました。彼女は受験の時にはまだピアノは弾いていませんでした。ただ小学生の時、2年ほどエレクトーン教室に行っていたと言うことです。面接で、知り合いのピアノの先生に習って、入学するまでには必ず弾けるようにしてくると宣言し、その気合で合格を手に入れました。

 そして、「おばちゃん、そんな訳だから3月までしごいて!」と、12月末に電話してきました。腹をくくって、それは厳しくしごきました。言った以上はと、しっかりついてきた彼女は偉かったです。入学後のクラス分けではAクラスのスタートでした。

 やる気があって、頭も悪くないのに器用さに欠けがあって上手く弾けない子。要領が良くて、大して練習もしてこないのに、いざ発表会となると上手に弾いてしまう子。
親の強制で始め、「上手くならないと怒られる」と、来るたびに泣く子。ピアノに来るのは大好きだけど、ピアノを弾かずに先生とおしゃべりして帰りたい子。来るのが嬉しくて、楽譜を持たずに来てしまう子。

 「あまり早く来てはだめよ」と、いくら言っても1時間以上前に来てしまって、いつもお昼寝タイムに入って抱きかかえて家に連れて行った子。その彼はもう180センチを越えるハンサムボーイです。振り返ってみると、男の子の方が面白い子が多かったように思います。

 私が新しく教室に入ってくる親御さんにお願いすることがあります。
1. ピアノのふたはいつも開けておいてください。そばを通るついでに触ることが出来ます。そしてピアノが身近なものになって行きます。

2. 弾く時間を決めないでください。始めの曲はとても短いものです。それをいきなり30分弾きなさいとやられたら、子供は嫌になってしまいます。小さな子の集中力は5〜10分です。それより毎日5回ずつ弾こうね。などの約束をして欲しいものです。

3. どんな子供も伸びる時があります。その子その子で時期が違うので、ゆっくり待ってください。せっかく習い始めたピアノが嫌いにならないように良いところを見つけてほめてください。

4. お父さんや、おじいちゃんおばあちゃんにお願いして、時々聴いてもらってください。そして必ず喜んで、ほめてください。大人だって喜ばれ、ほめられる方が嬉しいのですから…。

 子供をピアニストにしたいと思っている方は少ないと思います。それより自分の人生の中に音楽があって、豊かになることを願っているのではないでしょうか。そしてクラシックが高級で、そのほかの音楽は…、という物言いをなさる方にも時々出会いますが、音楽の原点を考えたらどんな音楽にも優劣は付けられないと思います。

 私は自分の教えた子供たちが大きくなって「ギターが弾きたい!」 「バンド組んでロックがやりたい!」「歌を歌いたい!」と思った時の基礎を作っておけたらいいと思っています。いろんな音楽があって、その時その時の感性で心に響くものも違っていいと思います。皆さんにとっての音楽の位置はどんな所にありますか?

 今まで教えた子供たちの中で、声楽家として活躍している子がいます。彼女は普通の短大に合格し、明日入学金を払うという夜に、どうしても歌がやりたいから音楽の道に行かせて欲しいと言い出して、驚いたお母さんから深夜の電話をいただきました。東京に住んでいた時の生徒でしたが、千葉に引っ越した後も先生が良いと月に一度通ってきてくれました。それも高校生になって無理になり、時たま電話で近況を伺うくらいでした。幸い声楽家の妹が教えに行っていた学校に話をつけてもらい、入学後は妹が面倒を見ると言うことで話がまとまりました。ピアノは私から、声楽は妹からと姉妹2人が彼女に関わることになりました。あの頃のバタバタも笑い話になり、今ではしっかりとコンサート活動をしています。


編集後記

 ここ松本に移住してきてお蔭様で1年が経ちました。あらためてこの1年をつぶさに想い起こしますと、仕事一つとってもやはり人との繋がりがあっていまの自分たちがある、本当にありがたいことです。あと足るを知ることですね。
 こちらに来てからはもっぱら山や畑を中心とした自然に触れる活動がおおくなりましたが、4月には山岳スキーレース、きのう5月24日には南木曽町の妻籠10kmマラソンに出場と、移住前には想像もつかないような事をしています。やってみて一つ発見したことは、長所伸展法のみに着目してきたここ数年ですが、苦手意識のあるものにも期せずして挑戦してみた結果、愉しみとともに視野が拡がったことを身をもって実感しています。
 Fさん、スキーオフシーズンにとマウンテンバイクとカヌーにいま興味があるのですが、いまはちょっと手がでない…。なので当分は安曇野の光城山ランニングに精をだします。
膝に負担がすくなく景色も最高!けっこう良いトレーニングになるんですよ!?(笑)(田)

●●●

 いつも何も出来ないと心苦しく思っていたので、時間の出来た今、ちょっとのお手伝いをと、松本まで出掛けました。編集会議なんておこがましい…そんなことを言いながら、しっかり思ったことを言わせていただきました。
松本は近くて遠いところでしたが、思い切って出掛けて、楽しい時間を過ごしました。又機会があったら、参加させていただきたいと思っています。(倉)
●●●

 今年は町会の公民館長の役を仰せつかり、忙しく過ごしていますが、役員さんとの協調関係はとても良好で助かっています。
 それは役員さんの提案から、新たに地元の自然や歴史文化に親しむ「ふるさとウォーキング」を行うことになったことでも現れているようです。新しいことはなるべくしない、そんな前任者のお願いもありましたが、私は大歓迎です。
 発案者は隣町から最近越して来た方で、多様な経験・考え方があると、いろいろ物事が良い方向に行くようです。
 その人は実はIターン者でもあり、今回知り合ったご縁から倶楽部の紹介をしたら、即会員になっていただきました。今号の新会員紹介に登場していただいた方です。
 これからよろしくお願いします。(中)

●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●●

会報目次

みんなで発信おたより紹介今までの活動の紹介新・信州人倶楽部に興味のある方へ
TOPページ

●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●●


Top 234-60


ANAショッピング案内