Iターンネットワーク

新・信州人倶楽部


▲▲▲ 新・信州人倶楽部報 ▲▲▲



第76号

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   ◆総会のお知らせ

 次回の総会は下記スケジュールで行うことになりましたので、皆様の参加をお願いします。
スケジュール
 日時:4月22(日)午前10時〜12時
 場所:アルプス公園「森の入口休憩所」
 会費:500円(昼食代)

申込:中澤まで
 電話:0263−50−6315
 Fax:0263−50−6512
締切:4月2日(月)
 総会は「森の入口休憩所」の2階会議室を利用します。
 また会場に一番近い駐車場は、東入口駐車場となります。

辻 正道(松本市)

郷土に“いいもの”発見!

〜東京杉並にて〜


 今日は東京都杉並区に来ています。一昨日『目で見る杉並区の100年』という新しい企画の説明会を開き、昨日から本格的に区内の書店回りをしています。
 40店あまりの書店さんを、背には見本誌をびっしり詰め込んだザック、両手にはパンフレットと横幕の入った重い手提げ袋をぶらさげ、地図を片手にとぼとぼ歩いて回っています。
 東京の営業は歩きと電車が基本です。長野県は車でお店へ横付けなのですが、東京は自分の足でかせがなくてはなりません。なかなか大変ですが、毎日、新たな発見とドラマがあります。

 さて、今日は京王井の頭線永福町駅がスタートです。駅前の商店街を20分ほど歩くと目的のD書房の看板が見えてきました。なぜか、お店の前には開店祝いの花輪がいくつも並んでいます。
 「えっ!何これ?」、80歳ぐらいのご主人が出てこられて「居酒屋D堂をオープンしたのさ」。中に入るとなるほど奥にうずたかく積まれた本といっしょに、テーブルとお酒が見えました。30年日本中の本屋さんを歩いていますが、コーヒーショップつきの書店は最近よく見かけても、居酒屋のある本屋さんは初めてです。

 「ほうー、信州からか。よう来てくれた。まあー、一杯やってくか」「いやあ、そういきたいところですが、まだ明るいので、今日のところは早昼をいただきましょう」、とカウンター席に座り、刺身定食を注文します。
 じろじろ店内を見てまわるといいものを発見! 昭和初期の地元和泉村の消防組の写真です。これは貴重なものです。壁に架けられた感謝状には、杉並区郷土史研究会の名が。
 ラッキー! 今回の執筆者も紹介いただけそうです。趣味の盆栽も半端じゃなさそう。庭にはところ狭しと、つつじの鉢がぎっしり並んでいます。「4月になったら花見ながら一杯やるか」。販売はもちろん、古写真も発見、書き手まで紹介、実にいい方とお会いできました。町の本屋さん巡りは本当に楽しい!

 日も落ち、ひととおり杉並区の本屋さんはこれで全部回りました。さすがにもう、くたくたです。夜のネオンに誘われるように、どっか手頃な居酒屋をさがします。
 JR西荻窪駅のガード下の路地をいくと実にいい匂いがしてきました。渋い焼き鳥屋が軒を連ねています。
 店の外ではこの寒い中、ジャンパーを着込んだおやじさんが七輪の火にあたりながら、うまそうにやっています。ビニルを架けただけの露天の居酒屋です。ふらっとお店の中に入ると仕事帰りのおじさん連中がびっしり。
 とりあえず焼き鳥盛合せと熱燗1本をたのみます。いやあ?うまい!実にうまい!からだに沁みます。これが220円とはまたべらぼうに安い!ワンカップより安いんじゃないですか。刺身盛り合わせだってたったの500円。1,000円あれば充分です。東京杉並にまだこんな店があったとは! 

 ぼつぼつ宿に帰る時間です。定宿はJR阿佐ヶ谷駅前のインターネットカフェ。杉並のビジネスホテルは全部あたりましたが、最低シングル9,000円とめちゃ高い。ここなら10時間ナイトパックでわずか1,600円です。狭いけどあったかいし、足を伸ばせます。パソコンも使え、メールチェックもOK、コピーもFAXもあります。さらにコーヒー飲み放題のうえ、シャワーまで完備です。今日もこれでぐっすり眠られそうです。
 東京もまた楽しからずや!!

長野 鉄雄(船橋市)

夕張市役所を訪ねて


 つい、数年前のことです。夏場、クルマで北海道へ行った際に、ちょっと寄り道をと思い、財政破綻した夕張市へ行ってみました。市内へ入りゆっくりと走ると、おそらくかつては商店街としてにぎわったであろうところも、ほとんどの店はシャッターを閉めていてとてもさみしい雰囲気でした。
市役所の駐車場にクルマをとめ、一階に入るとフロアの半分は何もないのです。ただ床からは、ところどころ電線か電話線かがちぎられて出ています。おそらくここには机が置かれ事務が行われていたのだと思います。
さて、それでも残り半分は机があり、皆さん仕事をしていらっしゃいます。
私はその姿を見て、とても自分が恥ずかしくなりました。彼ら、彼女らは当然といえば当然なのですが、とてもてきぱきと仕事をしているのです。財政破綻だからというような悲壮感はまったくありません。
正直、自分は一か月更新の派遣だからと言い訳をして普段の自分の仕事に対する態度が自分を甘やかしたものになってはいないか、また自分に甘えていないかを深くかんがえさせられました。
そして悪いことが起きると、何事においても、とかく悲壮感の漂うものの考え方をする自らの心癖。よくないことだとつくづく考えさせられました。
東京に戻り、どうかというと全然有言実行できていない自分です。ときどきあの夕張市役所で働く皆さんの姿を思い出しては、もう少しまじめにならないといけないと思う今日このごろです。

Toshi(池田町)

蕎麦の話 〜その4〜

 今迄蕎麦について思いつくままに書いて来ましたが、世の中には蕎麦の打ち方から歴史、料理法や美味しいお店の紹介等々様々な書物が出ています。興味のある方は、書店や図書館当でそれらの書物の項を捲るのも一興かもしれません。
 実は私も今回のお話があり、蕎麦について何か書くように言われた時、もう一度何冊かの本を読み返して見ました。そんな中から皆さんにとって参考になる読み易い一冊を御披露しましょう。
 書名は、「物語 信州そば辞典」。著者は中田敬三さん、信濃毎日新聞の元記者の方で、1991年に退社されてから分筆生活をされている方です。
また出版社は、会員の辻さんが在社されている郷土出版社ですので、皆さんにとっても身近な本だと思われます。
さてこの本ですが、蕎麦についてのあらゆる事が書いて有り、私の行っていることもほとんどこれを読めば書いてある、という内容の濃いソバの全てが分かる本です。

 この中に、実はかなり重要な新しい事実の紹介がされているのです。その新しい事実にも同じ長野県の方が絡んでいるのですが…。
 それは、そばの歴史、そば切りの歴史に関する記録について、新しい発見が有ったのです。(とは言っても、この本の初版は1998年の9月、発見は1993年の事ですから、20年も前の話になりますが。)
 これ迄は記録の中に「そば切り」の文字が出てくるのは、江戸開幕から10年以上後の慶長19年に近江多賀神社の社僧が書いた日記の2月3日の文章に残されている「ソバキリ振舞被申候」とあるのが一番古いものとされていたのですが、平成4年(1992年)長野市の郷土史家関保男さんが、「信濃資料」に収められた木曽郡大桑村の宗の「文書」の中から発見したもので、天正2年(1574年)に仏殿修理の時に記録した「番匠作事日記」の3月16日の項に落城祝いの寄進の品々の中に「振舞ソハキリ金永」との記が残っていたのです。
慈性日記よりも40年も前に「そば切り」の字が信州で発見されたというわけです。日本最古のそば切りの文書が木曽にあったという事が、そばの歴史の中で重要な意味を持っているという事です。

 植物としてのソバは、一万年以上前に日本列島に伝来したと言われるが、これがソバ米として粒で食べられ、粉にして食べられ、ソバガキとしても常食されたが、ソバ切りがいつ頃から始まったかは不明なのです。しかし麺食研究家の間では室町時代には始まっていたと考えられている様です。いずれにしても今私たちが食べている蕎麦(そば切り)は、600年も前から人々が口にしていると考えると、ちょっと蕎麦の味が変わってきませんか?

 ここで一寸小休止。話を私の住んでいる池田町に移しましょう。
 以前お話しした様に、池田町には地元でソバを栽培し、収穫した玄ソバをそば粉(挽きぐるみ:甘皮から中の実まで全てを粉にした全粒粉で、信州では一般的な粉)にして皆で打って食べよう、という「の会」という愛好会があります。
 私もその会に入れてもらい、そば好きな人たちと共に手打ちのそばを楽しんでいます。結成してから15年程経つので新・信州人倶楽部とほぼ同じ経歴を持った会ですが、地元民である事が条件ですので、本当に気のおけない仲間達と、種蒔き、草刈り、刈り取り、選別とそばの実に係わる作業を一緒に汗を流し、終わったら作業小屋で一杯やりながらの焼き肉パーティーで、ワイワイガヤガヤ…、本当に楽しい1日となります。

 そして秋の収穫、乾燥、選別が終わり、袋詰め後に製粉屋の倉庫に預けると、後は必要な量に応じて製粉し、仲間内でそばを打って楽しむのですが、最大の行事が2月初めの“そば祭り”です。町長や造酒屋の杜氏、社長、ハーブの先生やそば畑の地主さんを招待して、会員皆でそばの収穫を喜ぶのです。

 今年も2月11日、雪景色の中で集落センターに集まって盛大にやりました。
 以前この地区は稲作農家ばかりで、そばを食べる習慣が無い所だったので、自分たちでそばを食べる機会は少なかったそうです。(そば自慢はお里が知れると言って、皆、そばを食べる事を表に出さなかったようです。)
 しかし減反対策でそばを作る様になり、皆でそば作りを研究しようと会が結成され、15年経った今では、皆そばの味を大っぴらに楽しんでいます。(私が来た頃から現在まで“年越しそば”の習慣は、未だ無い家がほとんどの様です。)

 そして今年、会員の中から直接「年越しそば」を自分で打ちたいから、そば打ち教室をぜひ開いて欲しい!と、声が上がりました。私が事有る毎に声を大にしてアピールしてきた事が、やっと地元の人たちの口から要望として上がってきたのです。私にとって本当にうれしい瞬間でした。5年掛かってやっと実現できるのです。長かったけど、これでさらに“そば”が広まっていく事でしょう。

 地元に溶け込み、こちらが提案する新しいものを取り入れてもらうには、5年は掛かるという事でもあるのでしょう。そういう意味でも、今年のそば祭りは私にとって忘れられないものになりました。
 それではまたお会い致しましょう。

 

 

 

だるちゃん(大町市)

会報を読んでみて 

〜「よりましょ」75号〜

 <辻正道さん「銚子にて」>
   犬吠崎の絵を買われたそうで良かったと思います。昔聞いた「喜びも悲しみも幾としつき」の歌を思い出しました。「沖行く船の無事を祈って灯をかざす灯をかざす」映画の主題歌で若山章さんの豊かな声量と力強さのお陰もあって辛い時には励みにもなりました。

<長谷川慶之さん「のらがめ」>
 ずっとまえに皇居で北米の外来魚を捕獲した時に、ワイドニュース番組で困った事態として話題になったことがありました。「動物愛護法」によって罰則があって捨てた人が分りさえすれば30万以下の罰金、傷つけたり殺した時は一年の懲役、又は100万以下の罰金だそうです。皇居での外来魚のガーとかブルーギル等は、肉食性で最大3メートル位になるそうです。

 皇居のお濠ならすぐ捕獲されてしまうので、危険性もないと、わざとそこに捨てたのでしょうね。恐れ多い事です。亀は遠くからみてると頭を引っ込めたりして面白いですが、臭いもきついし狭い水中では汚れも著しい。

 ペットを飼う事は育てる事、身の回りの世話をする、非常に面倒な「ずく」のいることです。だから可愛くなるのです。単なる好奇心で飼って、やがて捨てる羽目になるのでは動物にとっても迷惑な話です。
 自然の中で自由に生きている、本来の生態系をくずさないでいければ理想的です。

<年光廣さんの「蕎麦の話」その3>
 紫芋、赤カブ、赤いたまねぎ等、赤いものは何でも特に栄養があるとよく言われますね。赤い蕎麦はヒマヤラの高山地帯から来たそうで、25年前高嶺ルビーの赤い花を咲かせる蕎麦を栽培、開発したそうです。
 もちもちとしているのなら、きっと私は好きになりそうです。ダッタンそばはルチンが普通の蕎麦の100倍あり、血液が若返るのだそうです。毛細血管を強化し、血糖値を下げる効果ありと、一週間に一度は食べたい食品です。私は天ぷらを揚げると、連鎖反応で温かい濃いつゆにつけて蕎麦を頂くことになります。幸せな一瞬です。
 何といってもそば粉が取れる9月以降が香り、味と共に最高でしょう。知人と話す時には役に立ったりしています。

編集後記


 雪が凍ってツルツルの道路を緊張しながらしばらく進むと、雪が消えた!そう、我が家の周りだけが別世界なのです。少し下れば、きちんと除雪がすみ快適に走れます。そんな中松本へ…。
 年明けに相次いで亡くなった人がいて、落ち込み気味でしたが、皆さんの顔を見て、言いたいことを言って癒していただき帰途につきました。
 こんな編集会議で、ご苦労してくださるのは男性二人。中澤さんに丸投げの私でいいのかなぁ?と反省しつつ、やめてと言われなかったので、もう少しお世話になります。(倉)

 アッと言う間に一年が過ぎ、今年度最後の編集会議となりました。今年度の“よりましょ”の出来はどうだったのでしょうか?
 なんだか自分の好きなそばの話ばかりして一年が経った様な気がしますが…?! 皆さんからもっと多くの寄稿があると変化があって楽しい紙面になったと思うのですが、私共の力不足を感じ、反省している次第です。今後共宜しくご協力の上、アイデアをお寄せください。(Toshi)

 もう2週間以上前のこと、いつものようにツルヤ渚店で買い物をして、レジで待っていると、傍の棚に線量計が置いてあります。放射線を計る装置ですが、定価7900円が6900円と安く売られています。そしてタカラトミーとエステー化学の共同開発、と書かれています。身近に感じるメーカー名なので、放射線が気になる方は買いたくなるかもしれません。
 そうか、放射線測定器はスーパーでも売られるようになったんですね。インターネットなど利用できない人には朗報ですが、こんなに簡単に購入できることに、ちょっと驚きました。(中)

 

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