早いもので12月。平成最後の12月となる。
先月、図書館で「今年の漢字募集」と応募用紙と応募箱が置いてあった。毎年恒例の今年を表す漢字1字の発表する時期でもある。
確かに色々あった。災害・政治・スポーツ・事件などなど。どのような字になるか?今年、私は例年よりも多くのTV番組や映画を見ることができた。
朝ドラにおいては7:30のBS放送から23:30までの計4回の再放送を飽きもせずに見ていた。印象のあるセリフにおいては役者と同時に演じてみてちょっと1人満足していた。さらにDVDの新作のレンタル開始と共に手に入れどっぷりとお気に入りの椅子に座りお気に入りの飲み物を片手に作品を見ていた。借りた作品は全て満足いくものであった。
しかし、公開からわずか3日目に映画館に足を運ぶほど早く見たい作品があった。
作品の内容よりむしろ出演されている「女優」の演技に興味をもったからでかる。約25年ほど前の日曜日、私はある講習会に参加するために「六本木」まで出かけた。早朝の六本木に歩いている人はまばら。夜のイメージの六本木とは正反対である。講習会場へ向かう際、1人の女性とすれちがった。人が少ないにも関わらず、かなり近づいていた。ひょっとしたらぶつかっていたかもしれない。
なぜか私は振り返りその女性の後ろ姿を追っていた。背が低くうつむいて歩いていた。特別派手な服装では無かったが「個性のある」何かひきつられるという表現の女性である。女性・・・・いや「女優」であった。
大東京であるからこのような偶然は「日常茶飯事」のことであろうが、付き人もなく「なんて無防備なんだろう。」と思った。
その後は講習会に参加して何の興味も無くまた、その「女優」が出演している番組を見ていてもなんとも思わなかった。ところが、今年何気なく放送されていたNHKの地域発ドラマで「福岡県 糸島」を舞台にした作品を見てから急に落ち着かなくなってしまったのである。
その作品の主演は死刑囚と死刑執行までの期間、面会して話を聞きそして最後には遺骨を預かり葬るという老女を演じていた。この作品がきっかけでレンタルでその女優が出演されている作品を借りてきた。特に見たかった作品は、ロック歌手であり小説も書いている作家が手掛けた作品である。
「ハンセン病の患者」の役を演じたのもこの「女優」である。この作品がきっかけでこの秋公開された作品を見るために劇場にでかけた。四季の美しさと暦、「茶道」の奥深さがとても美しい映画であった。いつも優しい茶道の師匠がお弟子さんに優しさの中に厳しい助言をするセリフは、まるで私自身に「叱咤激励」されているようにでもとらえた。
これらの作品は、以前六本木ですれ違った「女優」の作品であった。今年の漢字をわたしならではの表現をするならば「 演 」
様々な役柄を演じて印象が強かったという理由である。今年9月、昭和の「名女優」がまた1人、旅立った。