直売所にたまに置いてあるキクイモ、健康に良さそうですが今まで購入したことはありませんでした。でも今年の3月初め、松川村の直売所・アルプス一番にあったのでどんなものなのかと買ってみました。
子供の頃に近所の河原で採ったものを庭に植えたのですが、どんどん増えてしまい親に処分させられたことを記憶しています。
おかげで信州に来てから知人の家に植えてあった黄色の花を「キクイモでしょ?」と聞くと、「よく知っているわね」と言われたことがあります。
そんなキクイモですが、売り場の説明書きには「イヌリンが多く含まれている」と書かれてありました。家に帰ってこのイヌリンを調べてみると、胃腸を通過するときに水分を吸収し腸内がどろどろになり、糖分や炭水化物を腸が吸収するスピードが遅くなるので、食後の血糖値の急激な上昇を防ぐとあります。
さらに腸内の有害物質を吸着して体外へ排泄、人間の体では消化吸収されないイヌリンは、大腸まで届きビフィズス菌や善玉菌の餌となりその活動を活性化させるともあります。たしかに健康によい食材のようです。
ほかにもナトリウムと結合するので、塩分の採りすぎを抑制、余分な糖分や炭水化物吸収を抑えるので中性脂肪の蓄積を防ぐ効果もあるとのこと。またコレステロール値の低下や美肌効果などなど、自然食材で世の中に溢れているサプリを上回る効能が期待できそうです。
また世界中の植物の中でキクイモに含まれるイヌリンが最も多いので、その効果も期待できそうです。
いろいろ調べていくとさらに興味ある話題も…。
それは放射能に汚染された食材を体外に排出する働きがあると言うことです。どうやらリンゴと同じようにキクイモにも含まれる豊富なペクチンの作用とのこと。ペクチンは内部被ばく防止食として知られているそうです。
一例として20年以上前の話がありました。それはロシアのウラン鉱山で働いていた作業員全員が被爆したのですが、2年以上生き残った者はキクイモを食べていた2人だけだったという話しです。
ベルラド放射能安全研究所 バベンコ副局長語る
またキクイモはチェルノブイリの土壌環境でも放射性物質を吸収しなかった、という驚きの食材でもあると言います。
ロシアのキクイモと日本のキクイモの種類が違うという話しもありますが、(NPO法人)原子力資料情報室が放射能汚染された荒川河川敷のビオトープ、表面6センチメートルまでの放射性セシウム濃度が1キログラムあたり約660ベクレルで育ったキクイモの測定調査があります。
皮をむいた可食部の測定では1.6ベクレルと非常に低い値が出ていたので、キクイモの放射能を吸収しないという特性はおおむね正しいようです。汚染地で育った食材ですが、国のいう安全基準値100ベクレルと比べても圧倒的に低い値です。キクイモであれば、どの生産地でも放射能汚染をあまり気にせず食べることができそうです。
ビオトープの放射能調査結果
ということで放射能に汚染されないキクイモ、多くの健康要素と共に放射能除去効果もあるのです。 福島原発事故前には0.1ベクレルにも満たなかった農産物と比べると、今は汚染食材が蔓延しているとも言えるので多くの人にキクイモを食べてもらいたいものです。