新・信州人倶楽部メールマガジン  ━ 第128号━

発行:新・信州人倶楽部 事務局


〜信州からの便り〜 2020年9月号 
 2020年9月15日発行
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 こんにちは。「信州からの便り」第128号をお届けします。

 お盆が過ぎても一向に涼しくなりませんでしたが、ここへ来て暑かった夏もそろそろ終わりになってきました。最近では20℃を下回る18℃くらいの朝もあり、半袖では肌寒くなっています。また、今まで少なかった台風も多く発生してきたので、これからの災害には気をつけたいものです。

 それでは今号もいくつかの話題をどうぞ。

 

信州漫遊記(第4回)

高藤 惇(松本市)

池田町会染にひっそりとたたずむ川會(かわあい)神社


 小生が松本に移住した2008年ころ、“信濃安曇族ブーム”が沸き起こっていた。火付け役は、信大名誉教授(哲学)の故坂本博先生とその著書4部作である。先生は池田町に移住されて以来30年にわたって「信濃安曇族」の研究と考察を重ねられ、4冊にまとめて出版されている。信濃の山奥になぜ九州の志賀島を拠点とする海人族「安曇(阿曇)」の地名があるのか。膨大な資料の読み込みと現地の視察や大胆な推理によって、その謎に挑み解き明かす考察に没頭された。そのきっかけは、郷里の福岡博多で子どものころから毎朝食べていたオキュウトと移住先の池田で出会ったエゴ(イゴ)が同じ食べ物である不思議からだったという。

 長い間、信濃安曇族の守護神は穂高神社にあると信じられていた。しかし先生は、誰も信じて疑わなかったこの事実を覆されたのである。川會神社こそ信濃安曇族の系統を引くお宮であると発見されたのだ。古文書、祭神、伝承などから証明された。さびれていた川會神社は一躍、脚光を浴びることになった。自ら福岡博多出身で奥様が志賀島出身という先生は、川會神社の鳥居の新築寄付に私財百万円を寄せられたと耳にした。このような動きは穂高神社側にとって面白い訳がなく、先生にはさまざまな圧力がかかったようだ。しかし、あのガリレオ・ガリレイの如く、自説を曲げることなく、新たに発見した事実(川會神社に残されていた古文書の解読など)でもって論駁されていった。

 いちばんの決め手は、川會神社の祭神が「底津綿津見命(そこつわたつみのみこと)」1神であること。これこそ、志賀島を本拠とした海人安曇族が太古の昔からあがめてきた神なのである。平安時代967年に編纂された「延喜式(えんぎしき)」には当時各地にあった格式のある神社が出ているが、安曇郡のところにこの二社(穂高神社と川會神社)の記述がある。穂高神社の祭神は「穂高見命」で、近ごろは「綿津見命」も祭られていることになっているが、坂本先生は江戸時代にはそうした事実がなかったことを発見された。穂高神社の祭神に「綿津見命」が加わったのは明治以降らしい。また、川會神社はもともと高瀬川の対岸、いまの松川村にあったと推察されている。つまり、信濃安曇族の本拠地と目される鼠穴の側にあったというのである。江戸時代に洪水で流され、現在の地に移築されたというのだ。

 ことし9月13日、この連載の写真撮影のため、改めて川會神社に向かった。もう10回以上訪れているだろう。豪奢な穂高神社に比して、人影もなく、松枯れ病のため切り倒された赤松の束があちこちに置かれていて、哀愁さえ漂う。

 坂本先生は、信濃安曇族は仁科の軍勢によって跡形もなく殲滅させられたとみている。ちょうど、坂上田村麻呂が奥州征伐にあたった「前九年後三年の役」(9世紀初頭)のころである。それが「八面大王」の伝承となったとみる。ちょうどこのころ、明科にあった廃寺が忽然と消えている。「八面大王」が「八女の大君(やめのおおきみ)」とも読めるという発見も先生のもの。九州八女は、安曇族大移動の契機となったとされる「磐井の乱」(527年)の磐井の本拠地があった場所。勝者が敗者を「八面大王」など鬼として極悪人として流布し蔑み、その敗者たちがあがめた神社=川會神社は、紆余曲折を経ながらも寂しい姿ではあるものの、今日もなお命脈を保ちつつ実在しているということであろう。


川會神社の本殿とそこに掲示されている来由書。「底津綿津見命」1神を祭ると

 


信濃安曇族ブームを引き起こした坂本先生と2003〜2012年に発行された4部作

 


穂高神社と川會神社の祭神などを比較してみました(作成・高藤惇)

 

 

野菜作り

中澤 滋(松本市)

 そろそろ夏野菜も終わりという季節ですが、我が畑ではキュウリは終わりに近づきましたがトマトとナスは今が最盛期です。畑に苗を植えたのが遅かったためですが、毎日収穫に追われています。特に中玉トマトでオレンジ色のフランムトマトは良くできます。もう4回トマトケチャップを作りましたが、まだまだ取れるので後何回かは作らないといけません。
  今までケチャップを作るときは、トマトの皮を湯むきしたりするのが面倒でしたが、スロージューサーを使い出してからは楽に出来るので、ことこと煮込む作業だけです。でもトマトの量が4kgもあると、2日間かけての作業になってしまいます。

 サツマイモは苗を植えてから120日が収穫期といわれていて、今月18日がその日となります。でもまだ生育が旺盛で、つるが垂直仕立てのポールを超えて2m以上にもなっています。収穫は来月にしようと思っていますが、気温が10度を下回ると保存性が悪くなるので、これから先気にしないといけません。

 ダイコンはまだ大きくなっていませんが、これからです。人参、ほうれん草、カブなども種まきを終えました。ネギは除草シートの枠のおかげで元気に育ち、大きなものから必要に応じて抜いて、もう10本くらいは食べています。真っ直ぐな軟泊部分が長く、まるで売り物になる感じです。いままでの自然栽培ネギでは最高の出来に少し驚いています。

 キクイモはマルチをしているので、雑草が生えなくて管理が楽です。昨年は半地下の室を作り保存していましたが、ことしはマルチの下を掘るだけで良いので、室に入れるものと植えっぱなしで春まで置いておき、必要なときに掘り出すのも良いかもしれません。今後検討してみたいと思います。

 
 
地域の情報

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 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
 次回もどうぞ楽しみにしてください。