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2010.6 No.198  発行 2010年6月28日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

 



5月のニュースから

■日立、バイオ式生ごみ処理機の不具合/発煙・発火の恐れ

 日立アプライアンス株式会社は、2003年2月から製造した高温バイオ式生ごみ処理機において不具合があることが判明したと発表しました。それによると処理槽の磨耗により穴が開いた場合に処理物が漏れ出し、脱臭装置(高温部)周辺に堆積、ごく稀に発煙・発火に至る恐れがあるとしています。

 同社では事故防止のため、本体交換を無料で行うこととし、5月20日に全国の主な新聞紙上とホームページで告知を行いました。また製品交換が完了するまでは、コンセントから電源プラグを抜いて使用を中止するよう促しています。

対象機種
日立家庭用バイオ式生ごみ処理機
BGD-X150 全数 2,211台
BGD-X180 全数 497台
BGD-X180-1 全数 16,639台
BGD-X150SK-1 全数 30台
BGD-V18 全数 29,072台
合計5型式48,449台

 同社は、2008年11月でバイオ式生ごみ処理機の生産を完了しているため、代替機種のECO-V30はバイオ式ではなく、ヒーターで生ゴミの水分を蒸発させる“乾燥式”となるとのことです。

 ところで同社では2004年11月にも、処理槽からの液漏れによりヒータが劣化することで、ごく稀に発煙・発火する可能性があるとして無償での修理交換を行いました。しかし修理交換の処置率84%まで達していたものの、未処置品において発煙、発火等の事故が8件発生してしまいました。そのため2007年6月に再告知を行っていたもので、当該製品を持っているユーザーは2度にもわたる迷惑となりました。
 今回は全く別タイプの製品なので、まだ心配も少ないというものでしょうが…。

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乗用車の電子キーによるトラブルに注意!/国民生活センター

 国民生活センターでは、2005年度以降PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に、2010年3月までの登録分で、電子キーに関する相談が46件寄せられているそうです。このうち「子供をチャイルドシートに乗せたあと、電子キーの入ったバッグを助手席に載せて運転席に回ろうとしたところ、ドアが施錠され子供が閉じ込められた」等、車内に鍵や子供が閉じ込められる事例が15件見られたといいます。

 センターでは、こうした背景から電子キーを装備した軽自動車及び、小型乗用車6台を使用して、電子キーに特有のトラブルについて調査し、消費者に情報提供することにしました。

以下センターの調査結果です。
 電子キーに関して何らかのトラブルがあったと回答した人は42人(28%)で、その内容は、解錠・施錠が不安定(23人)、鍵を認識しない(6人)、エンジンがかからない(6人)、セキュリティが誤動作する(6人)などが見られた。

 トラブルの原因が明らかなものについては、電池切れ(12人)、使い方によるもの(6人)、キーの持ち出し(5人)などであった。

 電子キーの電池切れによる閉じ込めについては、エンジンが停止している状態で電子キーの電池が切れると、条件によってはドアが自動的に施錠されるものがあった。

 キーレスエントリー機能による閉じ込めでは、エンジンが停止した状態でキーレスエントリーのボタンが押されると、車内に電子キーがあってもドアが施錠されてしまうことがあった。

 電子キーの電池が切れた場合の、ドアの解錠方法とエンジンの始動方法では、電池が切れたときのドアの解錠やエンジンの始動は、内蔵の鍵のみで可能なものが多かったが、別体の鍵が必要な銘柄や、電子キー本体を併用する銘柄など様々であったほか、盗難警報装置が作動する銘柄があった。

 盗難警報装置が作動した場合、予め停止方法を知っていないと速やかに解除できないものがあった。
電子キーを車体の近くに置いた場合の電池の消耗については、電子キーが車外作動範囲にあると電波を発信し続ける銘柄があり、電子キーの電池が早期に消耗するほか、車両のバッテリーも消耗することがあった。

 エンジンがかかった状態での電子キーの持ち出しの場合、ドアを開けずに窓から電子キーを持ち出した場合、5銘柄は警告灯や警報ブザーが作動しなかった。

 以上のことからセンターでは、消費者へのアドバイスとして次のことをまとめています。

  1. 電子キーの電池が切れるとドアが施錠される車種もあるので、電池を定期的に交換し、降車の際には車内に置いておかない。
  2. 取扱説明書により、電池が切れた場合のドアの解錠及びエンジンの始動方法を確認しておく。
  3. 電子キーを車両の近くに長期間置いておくと電池が著しく消耗するだけでなく、車のバッテリーも消耗する 可能性があることから、電子キーは車両の近くに保管しない。
  4. 人や荷物の乗降の際には、電子キーがどこにあるのかを確認し、特に窓から電子キーを持ち出さないように注意する。

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アウトドア用ストーブ、燃料漏れの恐れで回収/新富士バーナー

 アウトドア用品の新富士バーナー株式会社が販売した「マルチフューエルストーブSOD-370」において、液体燃料を使用し、ポンピングで加圧するなどでポンプバルブ部に荷重がかかることにより、接続部分から微量に燃料が漏れる可能性があることが判明しました。

 同社は当該商品を回収し代金を返還することとしましたが、ブタンガスを使用する場合はポンプを使用しないため、燃料が漏れることはないと言っています。

 同社では、燃料漏れが発生しこれに引火した場合、火傷や器具の破損の危険性があるとして商品の使用中止を呼び掛けています。

 ポンピング加圧時に、ポンプバルブ部に荷重がかかることは分かっていたはずですが、部品の設計審査と品質検証が甘かったようです。

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自転車、点検の呼びかけ/ビアンキ、プジョー

 サイクルヨーロッパジャパン株式会社は、2010年4月3日のTBS「報道特集」における「ビアンキ事故」の放送について次のコメントを出しています。

 事故について、Bianchi2002年モデルのサスペンションフォーク搭載モデルで走行中のユーザーが転倒、重傷を負ったという事故の事実を認めています。

 事故当時、自転車のサスペンションフォーク内部のコイルが腐食のため破断し、フォークが上下に分離しうる状態であったとされることについては、事故発生の直接原因と認めてはいません。

 しかし現在下記モデルを使用中しているユーザーに対して、速やかに「自己点検」及び「購入店での点検」を受けるよう促しています。

年式/モデル
2002年型/ビアンキ・バックストリート BIANCHI・BACKSTREET
 自己点検方法は、停止した状態で前輪を10cmほど持ち上げて、下方向へたたいて。抜け落ちてしまった場合は、購入販売店でフォーク交換する。抜けない場合でも、購入販売店で点検を受ける。
 と、いずれにしても安全のために購入店に持ち込むことを促しています。
 点検費用ですが、保証期間を過ぎているため、ユーザーに負担をお願いしています。

 さて、同社のその後の調査で、以前販売をしていたPEUGEOTブランドの自転車にも、同様の構造を有するRST製サスペンションフォークが付いたモデルがあることが判明、ビアンキと同様の点検を呼びかけています。
同社発表の該当する年式とモデル名は次の通りです。
1998年型VTT900(EXOCET)、VTT805(JEANNE)、VTT505(SAHARA)、COM505(METRO)、そして1999年型VTT905(EXOCET)、VTT805(JEANNE)、COM505(METRO)、DeLite、さらに2002年型COM505(METRO)です。

 自転車購入後すぐに起きた事故ではなく、何年も使用し続けた自転車による事故の場合、基本的には所有者に自転車の安全な状態を維持する責任があるように思います。

 事故の被害者が訴訟を起こしているので、サスペンションフォーク内部のコイルが腐食することが、当該設計自転車に顕著なものかどうかが気になります。また長年乗ってきた自転車では、オーバーホール整備が必要ですが、それを行ってこなかった所有者の責任の判断についてはどうか、など興味があります。

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誤って組み立てたデッキチェアで怪我

 不二貿易株式会社が2009 年3 月より販売していた「デッキチェアVFS‐GC29JP、デッキチェアオットマンセット VFS‐GC29JP&GO05Jで、誤った組み立て状態で座ろうとしたところ、椅子が折りたたまれ、指をはさんで怪我を負う事故が発生しました。

 同社では誤った組み立てが出来ないように改良された製品と交換もしくは、購入先にて引取りを始めました。
製造メーカーでは、組み立て工程での間違い防止のため、組み合わせの部品形状が考えられてきて、部品が入らない、ねじが締められない、などの対応をしてきました。

 ましてや製品を購入した素人が組み立て作業する場合、取扱説明書を読まなくても間違いのない対策をとらなければなりません。構造的にその対策がとれない場合では、警告ラベル取扱説明書を読むよう促したり、組み立て用の指示ラベルを添付する方法をとったりします。

 今回のケースでは、取説に組み立て方法が記載されているとしても、幅広いユーザー層に対する基本的設計欠陥が感じられるものです。メーカーの、今後の安全に対する努力を期待したいものです。

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接着剤使用後保管中に煙が/黒ゴム接着剤回収

 株式会社染めQテクノロジィが販売した黒ゴム接着剤で、使用後保管中に煙が出る等のトラブルが利用者から報告されたことから、同社で原因を調査したところ、使用原料の一部に不具合が見つかり、まれに煙が出る等の症状が起こることがある事が判明、対象商品を回収することになりました。

 同社では、不燃性の溶剤であるため爆発や発火などの危険はなく、未使用品に関しては問題ないとしています。

 1度使った接着剤を保管していたところ、煙が出る、と言うショッキングなケースですが、発火・爆発の危険がなかったことが幸いでした。

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