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2011.6 No.210  発行 2011年6月27日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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5月のニュースから

■Canon 「デジタルビデオカメラ iVIS HF M31/HF M32」 回収&修理

 キヤノンは、デジタルビデオカメラ「iVIS HF M31/HF M32」において、動画撮影中に低温やけどを起こす可能性のあることが判明したと発表しました。

  動画撮影中、ビデオカメラ本体の温度上昇に伴って本体右カバーの「MIC」と「AV/OUT」の間にあるねじに熱が伝わり、このねじ部に触れたまま長時間の撮影を続けると低温やけどを起こす恐れがあるというものです。

 珍しい原因での回収ですが、同社は、該当ねじ部分に触れたまま長時間の動画撮影を行わないよう注意を呼びかけるとともに、ねじに直接触れないよう保護クッションを貼付する対策を実施するとしています。
 この対策は、同社規定の保証期間を過ぎていても無償とのことで、長時間カメラを操作し続けることもあるので、早めに修理依頼したほうが良いでしょう。

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悠香のお茶石けん『茶のしずく』、小麦アレルギーで自主回収

 株式会社悠香は20日、2010年12月7日以前に販売された「茶のしずく石鹸」について、アレルギー問題のため回収すると発表しています。

 せっけんを使用後に加水分解コムギ末(水解小麦末)に由来すると思われる小麦アレルギーを発症、その後に小麦含有食品を摂取して運動した際に、息苦しさやじんましんなどの運動誘発性アレルギーを起こしたと考えられるとの報告が相次いでいることから、としています。

 自主回収の事実については21日、全国紙で一斉に発表されましたが、その内容は、「(『茶のしずく』が)特殊な小麦アレルギーを引き起こすとの報告が相次いでいることから、自主回収すると発表した」というものでした。

 回収対象は小麦成分を含んでいた昨年12月7日以前に販売された製品で、2005年以降で合計約4,700万個が販売されているものの、そのほとんどがすでに消費されているようです。ちなみに同品の販売製造元は(株)フェニックス(奈良県御所市)です。

 昨年10月15日付の厚生労働省の通知では、小麦加水分解物を含有する医薬部外品・化粧品の使用者がアレルギー症状を発症したことが通知されており、同省は使用者への注意喚起を行なっていました。それに伴い悠香では、12月8日以降に発売の新『茶のしずく』において、含有成分を小麦由来からシルク由来に切り替えるなど迅速な対応をとっていたといいます。

 同社によれば、先週5月14日〜15日に開催された「第23回日本アレルギー学会」で同品に関するアレルギー発症の症例が報告されたため、対応の必要性を強く感じたことから自主回収に踏み切ったといいます。
 「茶のしずく石鹸」はテレビなどで、イメージ優先の過剰なほどの宣伝を行っていますが、安全品質についてはおざなりだったのでしょう。

 同社は2005年以降消費者にアレルギー問題の存在を隠していたことにになり、長期間に渡り消費者ほを騙していたとも言えます。今後はCSを考えた安全品質について配慮してもらいたいものです。

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かんぴょうから基準超える保存料/製造者に回収命令

 (有)桜井長太郎商店が製造した「かんぴょう」から、食品衛生法の基準値を超える保存料が検出されたとして、茨城県筑西保健所は同社に、対象商品の回収を命じました。

 今年5月24日に京都市から、「茨城県内で製造されたかんぴょうを市内スーパーで収去し、検査したところ、食品衛生法の基準値(5.0g/kg 未満)を超える食品添加物(二酸化硫黄 6.0g/kg)が検出された」との情報提供があったといいます。なお、今回検出された濃度の二酸化硫黄を含むかんぴょうを普通に食べたとしても、健康に影響を及ぼすことはないとのことです。

 かんぴょうには防虫・防カビ、そして白いかんぴょうにするため、酸化硫黄を使用した「漂白かんぴょう」と、保存料の入っていない「無漂白かんぴょう」があります。
保存料をまったく使用せずに、天日で干したものが無漂白かんぴょうで、かんぴょう本来のアメ色をしています。

 干かんぴょうは保存の効く乾物ですが、保存するうちに変色・カビ・虫の発生などがおこりやすい製品で、乾燥時に二酸化硫黄で燻すことでこれらの変化を防いでいます。

 なお、二酸化硫黄は水に溶けやすく調理前の水洗いや茹でる時に溶け出すので、茹で汁は棄てることで害はほとんど無いようです。

 無漂白のかんぴょうは戻りが早く、短時間でやわらかく料理できる利点があり、乾燥の状態では茶がかった色でも、茹でると美しい白色に戻るそうです。

 中国産などの防虫・防カビ対策の漂白かんぴょうが多く出回っていますが、無漂白かんぴょうの“もどし汁”は旨みが多くあり、昔から精進料理で上等のだし汁として使われてきたそうです。

 なるべく添加物を摂らないように、という消費者が増えていますが、かんぴょうを大量に使わない家庭では、無漂白かんぴょうの品質の良さを再認識しても良いかもしれません。

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■東京都福祉保健局 「不正けし・ハカマオニゲシ」 回収

 麻薬及び向精神薬取締法により栽培等が禁止されている「ハカマオニゲシ」がホームセンターで「オリエンタルポピー」として販売されていたことが判明し、東京都福祉保健局は購入した都民に注意喚起するとともに、回収を呼びかけています。

 同局によると、5月18日に、都民から「ハカマオニゲシと思われる植物が生育している」との情報提供があり、現地(東京都東大和市)を調査したところ、「ハカマオニゲシ(ブラクテアツム種)」と思われるけしを2株発見したものです。

 5月20日に所有者から任意提出を受け、入手経路等を調査した結果、このけしは福島県の園芸業者(株)大森プランツで栽培され、(株)コメリを通じて消費者に販売されていたことが判明したといいます。

 大森プランツは、「ハカマオニゲシ」を含む「オリエンタルポピー」を1ケース28ポット入り(赤・白・ピンクの組み合せ)で出荷し、コメリは1都18県のコメリホームセンター94店舗で2,349ポット販売、都内では7店舗で196ポットを仕入れ、5月20日までに164ポットが販売されたといいます。なお、今回「ハカマオニゲシ」と断定されたのは赤色のもの。同ホームセンターでは5月20日に店頭からの撤去が指示され、現在、店頭販売されているものはないそうです。

 ケシというとアヘンを連想しますが、ハカマオニゲシには、モルヒネはごく少量しか含まれず、主成分はテバインという麻薬なので、あへん法ではなく、麻薬及び向精神薬取締法で麻薬原料植物として規制されているといいます。

 ポピーの名前で売られているため、ケシであることを感じない購入者も大勢いるようで、また海外ではハカマオニゲシの規制がなかったりと、園芸店の種にも混入することがあるそうです。
  またハカマオニゲシが生育しても他のポピーとの違いが素人には判が出来ないなど、難しい問題があるようです。

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■大阪市の水道水「ほんまや」がモンドセレクション金賞受賞

 大阪市は23日、大阪市水道局が販売している水「ほんまや」が「モンドセレクション第50回ワールドセレクション」にて金賞を受賞したと発表しました。

 「ほんまや」は、大阪市水道局の水道水を活性炭に通して残留塩素を除去し、加熱殺菌して500mlのペットボトルに詰めたもので、価格は100円です。100mlあたり、ナトリウム1.20〜2.70mg、カルシウム0.80〜1.60mg、マグネシウム0.10〜0.34mg。硬度約43mg/lの軟水となっていて、pHは7.5だといいます。クセがなく、すっきりまろやかな口あたりになっているそうです。

 受賞理由としては、「大阪市水道局の品質管理、安全性が確認されただけではなく、飲料水を長きにわたって評価している審査員の高い評価を得た結果」としています。

 なお、国内の自治体が製造・販売するペットボトル水が金賞を受賞したのは今回が初めてのことだとしています。 同商品の販売は、大阪市内の水道局関連施設や地下鉄関連施設などで行われていて、オフィシャルサイトにある申込み用紙をダウンロードし、FAX送信にてのオーダーも可能です。

 ひところ「大阪の水道水はまずくて、とても飲めたものではない」と言われていた時代からは隔世の感がありますが、「ほんまや」はかなりの人気商品のようです。

 市水道局が2007年3月に販売を始め、5月25日現在で累計108万5439本が売れたとしています。市水道局は「国内で販売されている約20自治体のペットボトル入り水道水で、売れ行き1位のはず」と、自信溢れるコメントをしています。

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