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2011.12 No.216  発行 2011年12月28日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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11月のニュースから

■ホットイナズマ発火の恐れ/サン自動車工業

 株式会社サン自動車工業は、同社が製造した電圧安定化装置(ホットイナズマ)において、不具合のため自主改善を始めました。

 2003年2月より販売している「ホットイナズマシリーズ」の一部で、車のバッテリから生じる電圧が影響して発熱・発煙・発火する恐れがあることから、自主改善を実施するものです。

 原因は、回路保護機能の設計値を超えるバッテリから生じるサージ電圧(70V〜20KV)が繰り返し流されることにより、基板部品及び基板の一部が破損、基板パターン間での放電が生じ炭化導電路が生成されることでトラッキング現象が起き、発熱・発煙・発火する恐れがあるとのことです。

 対象製品の使用者には、サージ電圧の進入を防ぐ追加部品(サージブロック)を送付することにしています。
さて同社が販売している電圧安定化装置なるものですが、交流電源を直流に整流するときに多少のリップル電圧があるのを平準化するためにコンデンサーを入れた製品とのことで、その効果については懐疑的な試験報告もあり、どうやらプラセボ効果を期待の商品のようです。

 カー用品では効果があるのか無いのか分からない、と言った商品が多いですが、効果を信じる人がいるために次から次へと多彩な商品が出現します。
 しかし、無害で一利無しならともかく、発火事故で一利無しではたまりません。現在利用しているユーザーは、早めの対処が望まれます。

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電気ケトルのハンドルが外れて火傷/和平フレイズ

 和平フレイズ株式会社は、有限会社新津興器が輸入し同社が販売した電気ケトルにおいて、使用中にハンドル(黒い樹脂製の取っ手)が外れて火傷を負う事故が発生したことを受け、対象製品ハンドル交換を行うと発表、対象製品を購入したユーザーには、直ちに使用を中止するよう呼びかけ、同社または購入先に連絡するよう促しています。

 対象製品は2006年12月〜2010年12月に販売された、アーバニア・電気ドリップケトル1.2Lと、レギュール・電気ドリップケトル1.2Lで、メーカー品番はG-3425、RM-8056、製造番号は061126〜100818とのことです。

 電気ケトルのハンドルを使うのは湯が沸騰したときで、火傷を負う危険が高くなるため、早めの対処が求められます。

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ボタン電池の交換のお願い/「ワンワンとうーたんのマラカス」

 マルカ株式会社は、NHK Eテレで放送されている幼児向け番組「いないいないばあっ!」に登場するキャラクター商品、「ワンワンとうーたんのマラカス」のうち、ボタン電池を使用する「うーたんマラカス」を回収すると発表しました。

 2007年10月より製造・販売した「うーたんマラカス」のうち、電池ボックスに付属していたボタン電池が電池交換の際に破し、負傷するという事故が一件発生したためです。

 同社で原因調査したところ、2009年1月〜2010年12月に製造されたボタン電池に不具合が見つかり、液もれ破損につながる可能性があることが判明、電池破損が発生するおそれがある生産時期の商品を回収することにしたものです。

 バーコードNo.4902923 120666の商品で、製造ロット番号は「A09」〜「L09」・「A10」〜「L10」(2009年1月〜2010年12月製造)とのことです。
 なお製造ロット番号が確認できない場合は、電話0120-989-590まで問い合わせるよう促しています。

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■電気こんろによる火災事故防止について/NITEが注意喚起

 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)に寄せられた「電気こんろ」のつまみによる事故情報件数は、平成10年度から平成20年度(11月18日時点)までの11年間で167件(重大製品事故含む)で、身体や荷物がつまみに触れ、スイッチが入ってしまうものについては、各事業者においてつまみの無償改修を行っていますが、未だに事故が発生し続けています。

 NITEでは、経済産業省より身体又は荷物が「電気こんろ」のつまみに触れてスイッチが入り、こんろの上に置かれていた卓上IHヒーターが焦げたとの製品起因が疑われる重大製品事故の情報が最近公表されたことから、改めて注意喚起を行うことにしました。

これまでの事故事例
(事例1)
事故発生日:平成18年9月12日
事故発生場所:東京都
被害程度:軽傷
事故内容: 電気こんろ周辺の可燃物が燃え 、電気こんろ上部に置かれたカセットこんろのガスボンベが爆発し、電気こんろ周辺と台所天井が焼損、家人1人が煙を吸い病院に搬送された。
事故原因: 電気こんろ前の通路が荷物で狭くなっており、被害者が入室する際、 知らぬ間に着火つまみに身体の一部、もしくは荷物が触れて電源が入り、電気こんろの上に置かれたカセットガスボンベが加熱され、爆発したものと推定される。

(事例2)
事故発生日:平成19年4月8日
事故発生場所:岐阜県
被害程度:火災(軽傷)
事故内容: 電気こんろの上に置いていたカセット式卓上こんろのガスボンベが破裂し、天井が少し持ち上がった状態になり、近くにあった樹脂製のまな板の一部が溶けていた。また、家人が手に軽い火傷を負った。
事故原因:当該製品の近くに段ボールが置かれており、段ボールの角が着火つまみに接触し、電源が入ったものと推測される。

(事例3)
事故発生日:平成19年5月27日
事故発生場所:東京都
被害程度:火災
事故内容:家人が留守中に出火し、室内を全焼した。こんろ周辺がよく燃えており 、家人の証言によると、外出の際、荷物がスイッチ周辺部に当たったとの記憶があることから、その時に電源が入ってしまったものと推定される。
事故原因:身体や荷物等が当該製品のつまみに触れて電源が入ったと推測される。

(事例4)
事故発生日:平成19年5月31日
事故発生場所:神奈川県
被害程度:火災
事故内容:家人が帰宅し、電気こんろの前を通過して就寝した。翌朝4時頃、警報により目が覚めた時 、電気こんろの横に立てかけていた樹脂製まな板が燃え、換気扇と壁が焦げた。
事故原因:家人が電気こんろの前を通過した際に電源スイッチに接触、電源が入ってしまったためと思われる。
(事例5)
事故発生日:平成20年3月12日
事故発生場所:岐阜県
被害程度:火災
事故内容:当該機器の上に乗せていた段ボール箱から発煙しているのを発見し消火した。
事故原因:身体又は荷物が当該製品のつまみに触れて電源が入り、火災に至ったものと思われる。


 事故発生の傾向として、電気こんろのつまみによる事故情報件数の推移について、こんろのつまみによる事故の情報は平成10年度に1件であったが、年々増加傾向にあり、平成19年度は43件の事故情報が寄せられており、過去最多の件数となった。

 電気こんろの事故発生月については、4〜7月に多く、2〜3月は少なくなる。特に3月に事故が少なくなるのは引っ越しによって電気こんろが設置された住宅から転居することで住居者が少なくなることが要因と考えられる。

 事故防止のためには、電気こんろの上でカセットこんろや他の電気製品を使用しない、電気こんろ」の上や周囲に台所用品・新聞・雑誌などの可燃物を置かないよう勧めています。

 また平成2年より、電気こんろのスイッチの無償交換 について、電気こんろのつまみは不用意な操作ができない構造とするよ うに改められて、電気こんろのスイッチのつまみが飛び出した構造のものについては、無償でスイッチ操作部を交換しています。家庭の電気こんろを確認し、該当する場合には、小形キッチンユニット用電気こんろ協議会(電話0120−355−915)に連絡するよう促しています。

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■玄関ひさしが落下の恐れ/YAMAHA サイレントハウス

 ヤマハ株式会社では、1995年〜2003年に販売したヤマハサイレントハウス「SHK」シリーズにおいて、玄関ひさしのコーキング部より雨水が浸入することにより、ひさし取り付け部に錆が発生、錆の進行によりごくまれに玄関ひさしが落下するおそれがあることが判明したと発表しました。

 同社では、同社指定施工店のサービス技術者が訪問し、無償にて点検・補修を実施するとしています。
対象製品は、ヤマハ サイレントハウス「SHK」シリーズで、対象品番はSHK60  SH60K・SHK60W・SHK60Fです。

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■「moussy」商品から細かな金属片が発見、自主回収

 株式会社バロックジャパンリミテッドは、2011年10月24日より販売致した「フェイクムートンライダース」について、倉庫在庫から起毛ブラシの細かな金属片が発見されたことから、販売済みの当該商品を自主回収することにしました。

 同社では、「今後このような事態が発生することのないよう、より一層の品質管理の徹底に努めて参ります」としていますが、10月には、「フェイクムートンベスト」で、ミシンの折れ針を含む金属片の混入があり、さらに「ファーライナーコットンブルゾンLONG」においても、針が混入されている商品が発見され回収しています。

 同社のホームページを見ると、それ以前の商品でも何回か回収をしていて、そのたびに「今後このような事態が発生することのないよう、より一層の品質管理の徹底に努めて参ります」との、紋切り型の釈明文が並んでいます。
 困った会社ですが“品質管理”の意味が分かっていないのでしょう。

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