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2012.1 No.217  発行 2012年1月27日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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12月のニュースから

■太陽光発電用パワコンで発煙の恐れ/オムロン無償点検を実施

 オムロンは、同社が製造した太陽光発電システム用のパワーコンディショナについて、発煙の恐れがあるとして対象製品を無償で点検、修理することにしました。

 対象となる製品は、同社が2001年10月から2002年8月までに製造したパワーコンディショナのうち、オムロンブランドで販売された「KP40F」の一部機種、および京セラブランドから販売された「エコノライン402 PVN-402」「エコノライン302 PVN-302」の一部機種です。
 対象となる製品製造番号は、オムロン・京セラのホームページにて公開されています。回収台数は、オムロンブランドで1,358台、京セラブランドで4,370台とのことです。

 事故の内容は、雷など外部からサージ電圧を受けた場合、一部機種において、パワーコンディショナに内蔵されている部品(フィルムコンデンサ)が破損、発煙するというものです。
 これまで経済産業省に2件、製品評価技術基盤機構(NITE)に3件の事故が報告されていますが、いずれも人的被害はないとのことです。

 同社では、発煙が発生しても本体は金属カバーで覆われており、製品の焼損だけにとどまるため、発火や延焼には至らないとしています。
 点検・修理の作業内容は、パワーコンディショナが動作している日中に、一時的に運転を停止し、点検と部品の交換を行なうというもので、作業時間は約1時間半だとしています。
 なお、点検・修理を行うまでに、異臭や発煙などの異常が生じた場合は、直ちにパワーコンディショナの運転スイッチを切るよう呼びかけています。

 オール電化の住宅が増えていますが、太陽光発電システムでは、太陽光を受けて発電するソーラーパネルの直流電流を受けて、家庭用の交流電力に変換するためのパワーコンディショナが必用です。
今回はこの装置が問題となったのですが、当該製品を利用しているユーザーは、早めの対処が必要でしょう。

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ドラム缶加熱ヒーター・一斗缶加熱ヒーターの回収(再社告)

 坂口電熱株式会社は、「ドラム缶加熱ヒーター」及び「一斗缶加熱ヒーター」において、構成部材・機能の安全性に問題があり、感電や発煙・発火に至る恐れがあることから2011年6月より回収を行っています。
 当該製品は電気用品安全法の規制対象品ですが、同法に定める変更の届出、技術基準適合性確認、自主検査及び表示の義務を怠り、昭和47年から平成22年12月まで、22 型式、5,136台を輸入し、4,782台を販売していたものです。

 2011年末に同社から相談を受けた当局の指導に従い、登録検査機関にドラム缶用と一斗缶用各1機の試験を依頼したところ、次の問題点が明らかになったとのことです。
 当該製品には温度過昇防止装置が取り付けられておらず、自動温度調節器の故障を想定した異常温度上昇試験において、150℃を超えたことから、オイル、塗料等の可燃物が入った缶に取り付けて用いた場合、火災につながる危険性が考えられる。
 当該製品は、定格電圧が200Vであるにもかかわらず、アース機構がなく、発熱体の絶縁物の厚さが基準を満たしていなかったため、絶縁物が外傷を受けること等により加熱対象の金属缶への漏電が発生した場合、感電の危険性が高いと考えられる。

 このため同社では年6月より回収を行っていますが、重大事故の恐れがあることからの再社告です。
対象製品を所有している場合は直ちに使用を中止し、窓口まで連絡するよう再度呼びかけ、使用状況に応じて代金の全額または一部を返金するとしています。
 坂口電熱株式会社回収受付センターは、フリーダイヤル0120-435-522です。

 これらヒーターは、ドラム缶や一斗缶に入っている樹脂や油を温める工業用製品であり、一般消費者が購入することはまれなため、昨年6月のリコール社告は、日刊工業新聞と同社ホームページ、そして判明している購入者へのDM対応でした。まだ回収を知らないで危険な製品を使っているユーザーには、今回の再社告を知ってほしいものです。

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エコ湯たんぽの一部に焦げや発火の恐れ/ベイシア

 ベイシアは、株式会社ヒロコーポレーションの「ノルディック調カバー付きエコ湯たんぽ」の一部商品で、使用方法によっては焦げや発火の恐れがあることが判明したとして、回収を発表しました。
 対応は、商品回収のうえ返金することになり、商品の現物、レシート、商品パッケージ(容器)のいずれかを購入店舗のサービスカウンターまで持参するよう促しています。

 最近出てきた商品であるエコ湯たんぽですが、充電器付き湯たんぽとでもいうもので、20分ほどコンセントにつなぐと6時間ほど暖かさが保たれる湯たんぽのようです。
 電気製品としての湯たんぽなので、充電器部の取り扱いによっては発熱してしまうようです。

 また同社では「エコ湯たんぽ」の使用にあたり、取扱説明書の記載された以下の注意に従うよう求めています。
・蓄熱は本体をカバーから取り出して行なう。
・蓄熱は平坦な場所で行う。
・布団や毛布などの上や、それらの中などでは蓄熱を行わない。
・蓄熱中は必ず注意監視を行う。

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■玄関ドアガラスが落下の恐れ/YKK AP、点検・部品交換

 YKK AP株式会社は、同社が2001年4月〜2002年8月に販売した住宅用玄関ドア(デュガードTypeM・TypeS、ラフィールTypeS)において、ドアに組み込まれたガラスが部品の破損により落下するおそれがあることが判明したとして、点検・部品交換を無償にて行うことにしました。
 重いガラスの落下という危険な事故の恐れがあるため、ユーザーには早めの対処が必要です。

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■ムーブ EXテーブル 「安全樹脂キャップ」取り付け修理

 カンディハウスは、2009年8月より販売している「MOOV EXテーブル (ムーブ EXテーブル)」 において、使用中にユーザーが脚に切り傷を負うという事故が起きたことから、訪問修理をすることにしました。

 当該テーブルは、伸長用アルミレールが天板下にあり、収縮時はレールの端部(角)に肌は触れないものの、伸長時は中間レールの端部(角)が現れ、脚などが触れる可能性があるといいます。

 同社では今回の事故を受けて、伸長用アルミレールの端部(8箇所)と、中天板受け金具に「安全樹脂キャップ」を取付けることにしました。

 このシリーズのテーブルは、36万円から43万円する商品ですが、家具といえども金属材料のバリや切断面の鋭利な箇所の危険性は、ちょっと気を回せばすぐ分かることです。 商品の外観と同様に、安全面にも配慮してもらいたいものです。

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■アールディーシー、景品表示法に違反/「生食用かき」の表示で措置命令

 「がってん寿司」などを運営するアールディーシーは、 同社が提供する生食用かきを用いた料理の内容について、 実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、 景品表示法に違反するとして、消費者庁から措置命令を受けました。

 消費者庁によると、 アールディーシーは、 「がってん寿司」・「がってん寿司承知の助」・「江戸前がってん寿司」・「市場場外がってん食堂大島屋」の店舗を通じて、 2010年9月25日から同年12月15日までの間、新聞折込チラシをはじめ、店内ポスター及びメニュー等において「無菌生かき乱れ喰い祭!!」、「マイクロバブルとオゾンによる殺菌システムで無菌化」などと記載していたものの、同社は細菌が全く存在しない生食用かきの仕入れや、生食用かきを無菌状態にするための特別な加工を行っておらず、 上記期間に提供された生食用かきを用いた料理は、 細菌の全くない状態ではなかったというものです。

 同社は不当景品類及び不当表示防止法第6条の規定に基づく消費者庁の措置命令(2011年10月28日付)に従い、一般消費者の誤った認識を取り除くため、12月7日に公示したものです。
 詐欺まがいの同社の宣伝文ですが、この業界では似たような不正をやっている業者も多いのかもしれません。

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