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2012.3 No.219  発行 2012年3月28日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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2月のニュースから

■ウォーターサーバーで火災事故/さつき 、回収・無償交換

 飲み水にはあまり不自由を感じなかった我が国では、諸外国に比べてミネラルウォーターの消費量は少なく、資料によると年間一人当たりでは、1986年に700ml、その後徐々に増えて1995年には1リットルを超え、 2002年にはようやく10リットルまで増えてきました。そして2010年までには20リットル弱で推移してきましたが、昨年は震災の影響もあり24.8リットルと伸びています。

 また、東京など関東地方の一部の水道水から高濃度の放射性ヨウ素が検出されたため、ミネラルウォーターが非常に品薄な状態になったことがあり、需要に拍車がかかった感じです。

 一方、従来は事業所などに置かれていたウォーターサーバーが家庭用として進出、今では数十社もの業者が参入しているようです。ミネラルウォーターを日常的に利用する人にとっては、その重さから買い物時の負担となることから、水の宅配需要は伸び続けているようです。

 ウォーターサーバーの出荷台数が増え続ける中、さつき株式会社が輸入したウォーターサーバーから出火する火災が発生、当該製品及び周辺を焼損する事故が起きました。
 同社では宅配水業者を通じて、対象製品の回収・無償交換を始めています。

 事故の原因は、電源コードと機体内部配線との接続端子台において、ねじの締め込み不足により接続部の接触不良が発生したため、接続端子台が過熱し出火に至ったものと考えられています。
 対象ウォーターサーバーは型番TWM-N-001で、2007年7月〜2008年4月に販売された1,669台だと言うことです。

同製品はPSEマーク付きのものですが、 製造不良に起因する事故というのは、安全重要部品や作業における、行程検査および最終・出荷検査でも見つからなかったことになります。輸出元工場の品質管理上の問題を、同社が今後どのように解決していくのか気になります。

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オーブンレンジの熱で置き台変形の恐れ/ツインバード

 ツインバード工業株式会社は、2011年10月から2012年1月に販売した「オーブンレンジ DR-D917型」で、底面から出る温風により置き台が変形する恐れがあることから、無償修理を行うことを発表しました。

 プラスチック製の天板を持つ冷蔵庫上に製品を設置し、「グリル」モードで庫内カラ焼きを行った場合、温風で冷蔵庫の天板が変形することがあることが判明したもので、購入者には修理が済むまで「グリル」モードでの調理は控えるよう呼びかけています。

 多くのオーブンレンジでは、製品の加工で使った油が板金などに残っている場合があるため、オーブン機能を最初に使うときに、事前にカラ焼きを行うよう指示しています。

 同社の取扱説明書でもカラ焼き20分を指定していますが、その状態で冷蔵庫などの置き台での問題点を抽出できなかったことになり、同社の安全品質力が疑われそうです。

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回収中の14,000台未対応/セイコーシェーバー充電器

 セイコーホールディングス株式会社とセイコースポーツライフ株式会社は、1999年12月?2000年4月まで製造したセイコーシェーバー・クリーンカット「ES1910」、「ES1815」、「ES1810」及び「ES1395」の充電用アダプタで、通電中に発火する事故が継続的に発生しているため、2000年6月以降新聞社告やマスコミ等を通じて回収・交換を告知してきたものの、2012年1月末日現在で14,915台が未回収・未交換となっていることを発表しました。

 継続して使用すると発火し、火災に至る危険性があることから、手元の充電用アダプタを確認し、該当製品の場合は直ちに使用を中止して窓口まで連絡するよう、再度呼びかけています。

 同製品を利用されている方は、充電用アダプタをご確認し、該当する製品と考えられ場合は同社に連絡するようにしてください。

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■自転車用ハンドルバー、走行中破断の恐れ/日東、回収・交換

 株式会社日東は、 NITTO 自転車用ハンドルバー「B259AA」が、走行中に破断する事故が海外で発生したことを受け、高い頻度で大きな荷重がかかった場合、強度不足から、走行中に破断する恐れがあるため、回収・交換することにしました。

 現時点で日本国内では事故は起きていないものの、日本のみで販売している「B258-T19」も「B259AA」と同じ仕様のため回収するとしています。

 自転車走行中のハンドルバーの破損は深刻な傷害の恐れがあり、事故を未然に防ぐための同社対応は評価できます。

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■日本メドトロニック、AEDを自主回収

 日本メドトロニック株式会社は、同社が製造販売した自動体外式除細動器「ライフパックCR Plus」の 一部製品において、部品の不具合により電源が入らなくなる可能性があることが判明したとして、自主回収することにしました。

 同社によると、「ライフパック CR Plus」の一部で、回路を接続す るコネクタに本来の仕様と異なる部品が使用されたことにより、コネクタのピン間でショートし、電源が入らなくなる可能性があることが、製造元の調査の結果判明したとしています。

 同事象が発生した場合、救命処置に影響を及ぼす可能性があることから、市場にある該当製品 184 台を自主回収することにしたものです。

 今回、回収対象となる「ラ イフパック CR Plus」184 台については全ての販売先を把握していることから、同社では速やかにダイレクトメールおよび該当製品の交換をすることにしています。

 点検中に故障したと報告を受けた製品を製造元で調査した結果、特定ロットの基板内で短絡が発生し、電源が入らなくなる恐れがあることが判明、同事象により救命処置に影響を及ぼし、重篤な健康被害の発生する可能性がある為、自主回収することになったものです。

 なお、同社では平成20年7月29日付けで自主回収を行ったものと同様の事象だとしています。

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■花粉症対策で肝障害の恐れ、バターバー関連商品の回収・返金相次ぐ

 花粉症対策などの健康食品に含まれる西洋フキ(バターバー)を含む食品が肝毒性に関係する疑いがあるとして、英国医薬品庁が自主回収等の措置を講じていることから、厚生労働省はバターバーまたはバターバーを含む食品の摂取を控えるよう消費者に注意喚起するとともに、事業者には販売を当面中止するよう指導しています。

 これを受けてドーモコーポレーションは、2003年3月よりドイツから輸入し販売してきた「ペタドレックス」には西洋フキのエキスが含まれるため、販売を中止し、回収・返金することにしました。

 また、ファイテンの特別会員PSS商品「べにふうき&西洋フキ」には西洋フキが含まれるため、販売を中止し、回収することになりました。
 これまでに対象商品による健康被害の報告はないとのことです。

 バターバーは、花粉症への効果がありながら眠気やのどの違和感といった症状を感じることが無く、また他の薬との飲み合わせについても問題が無い、という宣伝もあり、一般薬を服用せずに利用する人も多いようですが、気を付けたいものです。

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