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2012.4 No.220  発行 2012年4月29日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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3月のニュースから

■「サーキュレーター」無償点検(部品交換)/アイリスオーヤマ

 エコ意識の滲透から、冬場に部屋の空気を循環させて暖房効率を高めるためのファン・サーキュレーターの販売が伸びているようです。アイリスオーヤマ株式会社は、サーキュレーター EAC-2/EAC-2Kにおいて電源コードを過度に引っ張ったり、折り曲げた際に、まれにコードの皮膜が剥がれ、中の電線が剥き出しになる可能性があることが判明したとして無償点検・部品交換を始めました。

 対象は2011年7月1日〜2012年1月31日の間に生産された製品で、シリアルNoが1107○○○○○○〜1201○○○○○○のものだといいます。

 製品後面に貼られている定格シール下部にシリアルNo.が記載されているので、該当する場合は電話0120-211-299まで連絡するよう促しています。

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手すり用固定金具破損の恐れ/榎本金属、点検・交換始める

 榎本金属株式会社は、手摺受け金具(階段、廊下、玄関使用)において、鋳造時において不純物が多く混入したことから強度が低下、使用状況により製品が破損する可能性があるとして無償点検(不具合品は良品と交換)することにしました。

 点検が必要な品番はYS35-S( 2005年3月〜2006年5月販売)、YS35--W( 2005年3月〜2006年5月販売)、YS35-NS( 2005年1月〜2007年7月)で、点検を行い不具合品と判明した場合は良品と交換することにしています。
 問い合わせ先はフリーダイヤル:0120-634-500まで。

 手すりには、足がもつれたときなど、何かの弾みでかなり強い過重がかかりますが、固定金具の破損という思いもかけない事故は重傷・死亡にいたる可能性があり、当該製品が施工された恐れのある場合は早急に確認する必要があります。

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住宅用サッシの無償点検・補修/トステム

 旧トステム株式会社(現 株式会社LIXIL)が販売した住宅用サッシ「フォンテプラス」の一部に、ねじの締め付けが不十分な製品が混入し、窓を開閉する時に障子が落下するおそれのあることが判明したとして、同社は対象となる製品の無償点検・修理を行うことにしました。

 当該製品はフォンテプラス(トステムブランド)」シリーズの、たてすべり出し窓:台形出窓、三角出窓とよこすべり出し窓です。製造番号は○○081222〜○○10073で、 2008年12月〜2010年8月まで販売されたものだといいます。

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■はしごや脚立等による事故防止について/NITEが注意喚起

 NITE(ナイト:独立行政法人製品評価技術基盤機構)によると、製品安全センターに通知された製品事故情報のうち、平成18年度から平成22年度の5年間に発生した、はしごや脚立等の事故は、189件あったといいます。

 それらの内、「専ら誤使用や不注意な使い方と考えられるもの」によるものは、121件(64%)あり、死亡・重傷など重篤な被害が多く発生しています。 被害の状況は、死亡事故が11件、重傷事故が72件、軽傷事故が97件、拡大被害が1件、製品破損が8件でした。

 はしごや脚立等の事故189件について事故を現象別に分類すると次のような事故が多く発生しています。
 1.作業中にバランスを崩して転落した。
 2.昇降時にバランスを崩して転落した。
 3.不安定な場所に設置したためバランスを崩して転落した。

 これらの事故は平成20年度から増加傾向にあり、 NITEでは誤った使い方をしないことで防げる事故が多いため、正しく使用するよう促しています

 被害の状況は死亡事故が11件(11人)、重傷事故が72件(72人)、軽傷事故が97件(98人)でした。はしごや脚立等の事故は、189件中180件が人的被害に至っています。
 また、製品別にみると、脚立の事故が最も多く106件となっていますが、はしごの事故は死亡や重傷などの重篤な被害の事故の割合が多く、計33件中、死亡・重傷が20件、61%を占めています。

 事故の年代が判明した138人(事故件数138件)について、年代別被害状況をみると、被害者は、50歳代が最も多くなっていて、死亡事故は、50歳代から70歳代で発生しています。また、10歳未満が被害者となった事故4件のうち、3件は、踏み台や脚立で遊んでいるうちに指を挟んだものでした。

 重篤な被害の事故の割合が高いはしごの事故33件のうち、年代が判明した30人(事故件数30件)について、はしごの年代別被害状況をみると、年代が高くなるほど事故の件数が多く、死亡事故も多くなっています。
 NITEでは、取扱説明書をよく読み、はしごや脚立等に表示されている注意事項を守るとともに、重篤な被害を起こさぬよう次の事項に注意するよう求めています。
 1.はしごや脚立等は、水平な場所に設置してください。
 2.はしごや脚立等から体を乗り出さないでください。
 3.止め具等がある場合には、外れないようしっかりと止めてください。
 4.はしご兼用脚立をはしご状にして使用する場合、裏面を使用しないでください。
 5.はしごは75度で立て掛けて使用してください。
 6.はしごは、高所へ昇降するためのものです。はしごの上では作業をしないでください。

 以上のことから、特に高齢者が初めてはしごなどを利用するときは、取説を十分に読んだうえ、設置場所をはじめとする注意事項を確認しながら作業をしてもらいたいものです。

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■介護ベッドで挟み込み事故/フランスベッド

 フランスベッド株式会社は、介護ベッド用手すり「SE-07」で、70歳代の利用者が製品の着脱式固定サイドレール部と開閉式移動バーの隙間に挟まった状態で発見され、翌日死亡する事故が発生したことについて次のような調査結果を公表しました。

 調査の結果、サイドレールは逆向きにも取付可能な構造になっており、正しく取り付けた場合の隙間は約40mmのところ、逆向きに取り付けると隙間が約170mmとなることが分かったとしています。取扱説明書には、サイドレールを逆向きに取り付けないよう記載されていましたが、今回の事故では、逆向きに装着したために広く空いた隙間に首が入り込んで挟まったと考えられます。

 フランスベッドは、2012年2月下旬から関係先に製品の安全使用に関する注意喚起を行うとともに、逆向き取付防止のため、本体貼付用シールと保護ベルトC1を配布し、隙間への挟み込み防止を呼びかけていますが、医療従事者にはもう一段の点検をお願いしています。

 同社ではまた、より安全な危険予防装置付き電動介護ベッドを販売していて、背上げ時に床板とサイドレールの間に身体の一部が挟まれるとセンサーが感知し、背上げの“あがる”動作が自動的に“さがる”動作に反転、加えて、離床・着床の際には、照明が点灯し、ベッドの上に立ち上がると音声で警告すると共に、照明が点灯する製品。オプションの自動通報装置を使用することで、介助者に離床・着床を通報し、事故の発生リスクを軽減するとしています。なお、この危険予防装置は、既存の同社製ヒューマンケアベッドにも設置が可能とのことです。

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■紅茶を回収&返金/ロイヤルコペンハーゲン

 株式会社ロイヤルスカンジナビアモダーンは、ロイヤルコペンハーゲン紅茶アールグレイ60g缶の紅茶1缶(1,470円)に、煙草の吸殻が混入していたことから、同一ロットを回収・返金することにしました。

 同製品は原産国インドのもので、2011年11月1日〜12月28日の期間に480缶販売したもの( 賞味期限・2013年12月)だといいますが、これまでに健康被害の報告はないとのことです。

 回収には商品を購入店舗に持参、または同社まで着払いで送付するよう促しています。連絡・問い合わせは電話、0120-700-685まで。

 食品の製造工場で喫煙が行われているようで驚きましたが、同社では安全審査など行ったことがあるのでしょうか。

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■CO・OPドッグフード回収

 日本生協連の商品「CO・OPドッグフード、ビーフ375g」が開缶時に破裂し、利用していた組合員が指を打撲する事故が2012年3月27日に発生しました。

 当該商品の賞味期限は2014年6月1日ですが、同一ロットでの事故は発生しておらず、同社では在庫品の確認を進めていますが、現段階では異常品はないとのことです。

 また原因としては、何らかの衝撃が加わったことで缶に傷がつき、内容物が腐敗し、破裂にいたったと考えていて、念のため、賞味期限2014年6月1日の商品を回収することにしたものです。

 缶が膨張していたなど外観で分からなかったようですが、缶切りを使わなくても開けることができるプルタブ式の「イージーオープンふた」の場合は、シャープな金属エッジで指を切るなどの危険もあり、メーカー・物流業者・販売店などは注意してもらいたいものです。

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