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2012.7 No.223  発行 2012年7月27日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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6月のニュースから

■日立産機システム 「小型空気圧縮機 PA1800V(再社告)」 点検&部品交換

 株式会社日立産機システムは6月29日、旧トキコ株式会社が製造した小型空気圧縮機において、制御ユニット内の不具合により溶損・発火の恐れがあるとして同製品の点検・部品交換を行うと発表しました。

 対象となるのは、旧トキコ株式会社が1999年3月から2001年3月の間に製造した小型空気圧縮機「軽搬型ベビコン(型式:PA1800V)」で、紫色のカ バーに黄い文字で大きく「1800V」と表示されているものです。
日立産機システムは、同不具合について2007年から点検・部品交換を行っているものの、今回は改修台数 増加のために再度周知することにし、新聞紙上での告知を6月29日付一般紙(読売新聞、朝日新聞、毎日新聞)に掲載しています。

 小型コンプレッサーでは業界をリードしているという同社のため、今回の対象製品を購入したユーザーは数多くいるようです

 お手持ちのコンプレッサーを確認し、該当しているようであればすぐに同社に連絡してください。
 問い合わせ先は次の専用電話をです。
 専用フリーダイヤル:0120-700-433
 受付時間:9:00〜17:00(土・日・祝日除く)

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クリップライトの発煙事故/国民生活センターが商品テスト

 国民生活センターは、消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果から、発煙したクリップライトの情報を公開しました。

 依頼内容は、「購入したクリップライトに付属の電池を入れスイッチをオンにしたところ発煙した。原因を調べてほしい」というもので、次に調査結果を紹介します。

 このクリップライトは、本体のクリップで譜面台やブックスタンドに留めて譜面や書籍を照らすLEDライトで、電源は単四電池または付属のUSB接続ケーブルを使ってパソコン等のUSB端子とつないで使用する商品です。

 「発煙した」という相談者の申し出から、電源経路の短絡(ショート)が疑われたため、電源の導通テストを実施しました。

 電池収納部分のプラス端子とマイナス端子の間の抵抗値を測定したところ、絶縁されているはずが短絡に近い状態で正常な状態ではありませんでした。

 本体を分解して内部を調査したところ、本体台座には電源用基板のはんだと配線ケーブルとが重なる部分で圧迫による変形が見られ、配線ケーブルの裏側には被覆の損傷と線材の露出も確認されました。
 また、電源用基板の裏側を観察したところ抵抗が黒く変色していることも確認されました。

 次に、同型品を使用して抵抗が発煙するかを確認するために、電源基板上で疑似的に短絡させ、単四電池(マンガン乾電池)3個を電池収納部分へ入れたところ、数秒後に白煙が昇り始め、同時に中央部がだんだん苦情品と同様に黒く変色していきました。

 なお、単四電池を入れた状態のまま、USBケーブルを接続して使用すると、単四電池へ電流が流れてしまい、電池が充電されることがわかりました。

 テストの結果、クリップライトが発煙した原因は、製造時に配線ケーブルが挟み込まれて基板上のはんだと配線ケーブルが短絡したことにより、電池収納部分のプラス端子とマイナス端子の間が短絡に近い状態となり、抵抗が異常過熱して発煙したものと考えられました。

 なお、今回の事故と直接関係はありませんが、電池を入れた状態のままUSBケーブルを接続して使用すると、USBケーブルから電池への充電が行われてしまい、電池の異常発熱や破裂のおそれがあることがわかりました。

 製品の輸入販売事業者はこのテスト結果を受けて、USBケーブルを使用して電源供給を行う場合に必ず電池は取り出すこと、取り外さない場合は電池の異常発熱や破裂のおそれがあることを取扱説明書へ追記しました。

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電球形蛍光ランプ(ボール電球形状100ワットタイプ)代替品と無料交換

 東芝ライテック株式会社が、2005年5月から2012年4月までに製造、販売した、100ワットタイプのボール電球形状の蛍光ランプにおいて、ガラスカバーと本体の接着強度が一部弱いものがあり、ランプ寿命時に稀に内圧が高まるとガラスカバーが破損・落下する可能性のあることが判明したと発表しました。

 これまで破損・落下したガラス片でのけが等は発生していませんが、同社ではこのような状況を受けて告知を周知徹底、代替品と無料で交換することにしました。

製品名及び型式は次のものです。
●ブランド:TOSHIBAネオボールZ
形名:EFG25EL/20-ZJ EFG25EN/20-
ZJEFG25ED/20-ZJ
●ブランド:HITACHIナイスボールV
 形名:EFG25EL/20BEFG25EN/20BEFG25ED/20B
●ブランド:MITSUBISHI/OSRAMスパイラルピカ
 形名: EFG25EL/20・SP EFG25EN/
 20・SPEFG25ED/20・SP
●ブランド:NECHGボール
 形名:EFG25EL/20 EFG25EN/
 20EFG25ED/20
●ブランド:SANYOフレッシュボールS
 形名: EFG25EL/20-HXEFG25ED/
 20-HX

 また2007年7月の、「電球形蛍光ランプ(電球100ワットタイプ)ご愛用の皆様へお知らせとお願い」で交換したボール電球形状の同対象製品(TOSHIBA、HITACHI、SANYOブランドのみ)は、再度、無料で交換する必要があるとのことです。

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■トイレ用合成洗剤の垂れた液で床が変色/国民生活センターの商品テスト

 消費生活センター等から「トイレ用合成洗剤を使用した後、トイレの床に置いていたら、垂れた液で床が変色した。商品に問題がないか調べてほしい。」との依頼を受け、国民生活センターで調査した結果を次に紹介します。

 この商品の概要及び商品の内容物は以下の通りでした。
 内容物は、ほとんど無色透明の液体でpHは約7.4と中性でした。
 相談者宅のトイレ床(塩化ビニル樹脂製クッションフロア)には、容器の底の形に変色したと思われる部分と、その他に何点か変色した箇所が見受けられました。

 同型品の洗剤液を床材に滴下し、温度28℃、湿度60%で静置して変化を観察したところ、滴下した液は、数日間は透明のままでしたが、日数の経過とともに液が黄色っぽく着色していき、色もだんだんと濃くなってくことが確認されました。

 また、床材自体の変化をみるために、7日後に液が淡い黄色に着色していることが確認されたものを水拭きしたところ、液のあった部分の床材は変色して薄く黄色いシミになっており、21日経過して液が濃い黄色に着色した部分では、床材の色も同じように濃くなっていることが確認されました。
 なお、滴下した液が薄く広がった部分では、15日後でも液体、床材ともに色の変化は確認されませんでした。

 表示を調べたところ、用途及び使用上の注意に、白木等の水がしみこむ材質には使わないとの記載がありましたが、床等に付着した場合にはすぐに拭き取ることや、床材等の材質によっては着色してシミになることがあるといった注意表示はありませんでした。

 テスト結果を受けて、依頼した消費生活センター等のあっせんにより、製造者が相談者宅のトイレ床材の張り替え費用を負担しました。また、商品ラベルには床材等の材質によってはシミになることがあること、床等に付着した場合にはすぐに拭き取ることの注意表示がされることになりました。

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