ASPニュース Web版

No.233

  発行 2013年8月26日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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6月・7月のニュースから

■モリタ工業ガスふろ給湯器、熱い湯出てやけどの恐れ

 森田工業株式会社は、2013年3月から製造販売している「潜熱回収型・壁貫通型給湯付ふろ釜 MLC1601Hシリーズ」(製造元:ハウステック)で、機器内部の電装基板にある回路部品の制御プログラムに誤りがあり、大きな運転音とともに、設定温度よりも高い温水が出ることで、やけどに至る恐れのあることが判明したとして、無償点検・部品交換等を実施します。

 今回の不具合は、製品の通電中に瞬時停電が発生すると、水栓を開いてから約30秒間に、設定温度よりも高い温水が十数秒間出るものだといいます。同社の説明では、リモコンの湯温を42℃に設定していた場合、大きな運転音とともに湯温が約64℃に達した後、湯温が徐々に低下し、その後燃焼を停止するもの、としています。
 同社では、製品使用中のユーザーに順次連絡を行い、製造元の株式会社ハウステックのサービスマンが訪問し、点検・部品交換等の作業を無償で行なう、としています。

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ST基準満たさず認定マークを表記/ロゴス、10商品を回収

 株式会社ロゴスコーポレーションは、スポーツチューブ、プール、Kidsボート、Kidsサーフ 10商品で、本来であれば一般社団法人日本玩具協会の認定する玩具安全基準(ST基準)により、同協会指定の検査機関で適合判定を受けてからSTマークを表記して販売すべきところ、合格判定を得ないまま販売したことが判明したと発表しました。しかもST検査の結果、ST基準に適合していなかったことから、回収・返金することになりました。

 数多くのアウトドア用品を提供している同社ですが、ST基準の合格判定を得ないままSTマークを表記し販売した手続きを遵守せず、しかも製品自体がST基準に適合するものではなかった、ということで、同社の品質マネージメントは信頼できるものではないようです。特に子供向けのディズニーやスヌーピーの絵柄をあしらった水レジャー製品での不祥事であり、猛省を促したいものです。

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カネボウ「美白化粧品」回収&返金

 カネボウ化粧品の自主回収問題が波紋を広げていて、同社が発表した内容では、美白有効成分「ロドデノール」が配合されたカネボウの化粧品を使い、「肌がまだらに白くなる」などの症状を訴える利用者が相次いでいるとして、8ブランド・54の対象商品を自主回収する、としました。

 しかし7月19日時点で重い症状を訴えたユーザーが2250人に上るなど、その影響は同社にも「想定以上の拡大」となっているようです。

 問題視されていることでは、同社が最初に被害相談を受けたのは2011年のことだといい、同社の危機管理体制の甘さが露呈してしまいました。
 また花王が2006年にカネボウを買収しましたが、「花王」と「カネボウ」の化粧品ブランドは統合されず、独立して存在し続けてきたことも今回の問題につながっているとの見方も出ています。

  同社では2008年からCSRの推進に取り組んできましたが、今回の不祥事でブランドイメージが大きく傷つきました。この背景には営業・開発部門に対する品質保証部門のチェック機能、そして社内における安全に対する慢心が無かったかなど、多くの問題がありそうです。

 さて、この白斑については別の見方も出ていて、福島第一原発による放射線障害、いわゆる被爆症状(アルビニズム白色症)と症状が全く同じである、と言うものです。

 実際、原発事故後に牛に白斑が出たり、野鳥にも白斑が観察されていいることから、これら動物における白斑現象は放射線障害と考えられそうです。
 加えて同化粧品が発売された2008年から特に被害の報告はなく、最初の被害報告は2011年と、発売から3年も経っていることがあり、福島原発事故後の放射線障害によって、甲状腺機能異常や免疫系の異常により、普段かからない白斑が出てきたのでは、という指摘もあります。
 しかし現在のところ確証できるものではなく、今後の検証が必要となります。それには白斑を発症した人の、地域分布データがあるといいのですが…。

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中国、今度は“毒ピータン” 加工に工業用硫酸銅、30社処分

 7月17日付の中国紙、新京報によると、江西省南昌県でアヒルなどの卵を熟成させたピータンの製造に、有害物質の工業用硫酸銅が違法に使われていたことが分かり、国家食品薬品監督管理総局は関係部門に対し、全国のピータン加工会社を対象に検査を実施するよう指示しました。

 また南昌県の地元当局は既に県内の加工会社の調査に乗り出し、30社を生産停止処分にしたといいます。
ピータンはアヒルの卵を石灰や塩、泥にまぶして熟成させた中国料理の食材ですが、同県の一部加工会社では熟成の期間を短縮する目的で、工業用硫酸銅が使われていたというものです。

 このため7月には大榮貿易公司 「DTC 松花皮蛋(台湾皮蛋(ピータン))」が回収&返金しています。
 同社では、「DTC 松花皮蛋(台湾皮蛋(ピータン))」で、食用硫酸銅の対象外使用が疑われることから、回収・返金する。自主検査の結果により、健康への影響はないと考えられる。これまでに健康被害は報告されていない。中国産ピータンの報道にあった不純物を含む工業用硫酸銅は一切使用していない、と述べています。

 ピータンは製造過程で蛋白の凝固を促進するため「黄丹粉」と呼ばれる一酸化鉛の化合物を使用しますが、1971年に台湾大学の劉伯文教授がピータンには人体に有害な鉛成分が含まれるとの研究結果を発表、その後、黄丹粉を使用しない「無鉛ピータン」という製品が流通するようになったそうです。しかし別の鉛化合物が使用される場合があるなど、ピータンの食べ過ぎは鉛中毒の危険があり注意が必要だといいます。

 中国のギョーザ事件から5年たちますが、その後の数多くの事件・問題を抱える中国食品への不信感は、これからも続くのでしょうか。

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安全性未審査の遺伝子組換えパパイヤが流通

 「野菜ぱぱいやお試し」及び「野菜ぱぱいや」に使用している乾燥パパイヤが、安全性未審査の遺伝子組換えパパイヤであることが判明したため、福山市は加工者のフード・ネットに対し、食品衛生法に基づき当該食品等の回収を命じました。同社は2013年7月4日より自主回収に着手しています。

 厚生労働省では、各地方自治体及び検疫所に当該遺伝子組換えパパイヤの検査法を通知するとともに、タイ産パパイヤに対して輸入時のモニタリング検査を開始するとしています。

 パパイヤでも遺伝子組み換えが行われている、と言うことで驚きましたが、遺伝子組み換え食品が海外で氾濫しているのをまざまざと見る思いです。

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和歌山淡水 うなぎ加工品に原料原産地不適正表示

 うなぎ加工品に原料原産地を不適正に表示し販売したとして、和歌山市は和歌山淡水に対し、JAS法に基づく改善指示を行いました。
 同社は、自らが製造したうなぎ加工品の原材料であるうなぎの原産地名について、「愛知県」と表示できない原材料(中国産・台湾産・鹿児島産・宮崎産・熊本産・三重産・静岡産・大分産)を使用しているにもかかわらず、事実と異なる「愛知県産」と表示し、2013年1月〜2013年6月10日までの間に少なくとも135,386尾を一般消費者向け商品として販売したといいます。

 不正の原因ですが、愛知県産の仕入数量だけでは注文数量を納品できないため、愛知県産以外の品質の良い物を「愛知県産」として販売していたようです。

 和歌山淡水の不正に関連して、農林水産省近畿農政局は天将に対し、JAS法に基づく改善指示を行いました。
 同社は、和歌山淡水が「愛知産」と不正表示したうなぎ加工品を、不適正な表示であると認識しつつ仕入れたといいます。そしてこれを用いてギフト用または持ち帰り用として箱詰めした商品「活うなぎたんすい うなぎ蒲焼(養殖)」に、製造者を和歌山淡水と表示する一括表示ラベルを貼付することにより、原料原産地として「愛知産」と表示したものです。

 同社は少なくとも 2012年5月〜2013年6月10日までの間に、自社5店舗で一般消費者に販売、また一般消費者向け商品として小売業者に、計882尾を販売していたといいます。

 これに伴い同社では、デパートなどでテナントとして出店していた、近鉄百貨店本店(あべのハルカス)、上本町店、奈良店、生駒店、及び和歌山店で販売していた、うなぎ蒲焼やうなぎ弁当等の購入者に、レシートを確認の上返金することにしました。

 株式会社オークワは、和歌山淡水から仕入れ、同社の全173店舗で販売した活うなぎ加工品で、同様の品質表示基準違反の可能性があることから、仕入先を変更するとともに、該当商品の購入者にはレシート等を確認の上返金する、としています。

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