ASPニュース Web版

No.240

  発行 2015年1月16日

発行人 中澤 滋 ASP研究所 長野県松本市梓川梓3072-12

Tel:0263-50-6315/Fax:0263-50-6512

 

 

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ASPニュースは、複数の新聞・雑誌などの記事から
事実関係を整理した上で個人的な見解で記事にまとめています。

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★11月のニュースから

■アラジン石油ファンヒーター交換

 日本エー・アイ・シー株式会社は、株式会社千石が輸入し同社が販売した石油ファンヒーターにおいて、一部の製品で消し忘れ消火装置(3時間自動消火)が働かない ものがあったとして、対象製品の自主回収を行うと発表しました。
 回収対象は2014年秋の新商品「AKF-P359N」のうち、外箱及び給油タンクフタ裏面に「検」の印がついていないものだといいます。給油タンクフタ裏面に「検」の印がついている製品は問題ないとしています。

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ピジョンの乳幼児用シートに欠陥、3万台リコール

 育児用品大手ピジョン(東京)は27日、乗用車に取り付ける乳幼児用のチャイルドシートのベルトが固定できなくなる恐れがあるとして、3種類、計3万3341台のリコールを国交省に届けました。奈良県と沖縄県で走行中に子どもが転落する事例が1件ずつあったものの、けがはなかったといいます。
国交省によると、対象は「クーナ」「サルヴァージュ・ミッドナイトブラック」「サルヴァージュ・チョコレートブラウン」の3種類(2010年9月〜2012年5月生産)となっています。
 原因は、バックルの内部部品である金属プレートの強度が不足しているため、バックルのプレスボタンに想定していない強い力がかかった場合に、当該部品が破損する可能性があるとしています。
破損した場合、バックルのロック機構が正常に作動せず、最悪の場合ロックがかからない恐れがあるといいます。
 2014年10月末日現在、破損の連絡は117件で、破損によるロック不全が原因と考えられています。また着用中にベルトが外れシートから落ちたケースが2件あったとの報告もあります。

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「焼酎サーバー」回収&返金/陶友 長江商店

 陶友長江商店が企画販売し、2014年3月14日から9月15日にかけて販売した「焼酎サーバー2種」について、不快な臭いを感じ気分が悪くなったと申し出があり、製品を検査した結果、アレルギー症状を引き起こす可能性のある物質が検出されたといいます。
 同社で原因を調べたところ、サーバー本体と蛇口の接合部に、本来出荷予定ではない指定外の取付材料を使用した製品が一部出荷された事が判明したといいます。そのため縦式蛇口の「スペースディアテイスティングポット」「角サーバー黒」を回収することになったものです。

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イカ下足唐揚げ、グリーンピースから相次ぐ大腸菌

 株式会社神戸物産は、「スパイシーイカ下足唐揚げ 500g」の一部商品から大腸菌が検出されたため、賞味期限2016年2月14日の商品を回収・返金すると発表しました。
 また、「グリーンピース(インド産) 500g」の一部商品からも大腸菌が検出されたため、賞味期限2016年3月5日の商品を回収・返金することを同じ日に発表しました。
 同じ企業で立て続けに大腸菌が検出しましたが、同社は問屋を通さない「業務スーパー」としてはキャッシュ&キャリー店舗数と国内自社食品工場数で日本一になった、と述べています。業務拡大のあまり安全・品質保証システムの構築が追いついていないのか、どうなのでしょう。

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お祭りで販売した「イチゴジャム」「カリカリ梅」相次ぐ回収&返金

 新潟県立高田農業高等学校が製造した「イチゴジャム」の一部にカビが発生したものがあり、誤って食べるとアレルギー症状や食中毒が発生する恐れがあることから、商品を回収します。回収商品は賞味期限が2015年5月8日の「イチゴジャム」で、カビ発生の有無にかかわらず全品が対象としています。
 上越地域振興局内売店や、新潟県立中央病院と糸魚川地域振興局のミニ生協祭り会場で購入したものは、新潟県職員生活協同組合による販売のため、同組合で回収するものです。

  さて、千葉県立農業大学校は学園祭で販売したカリカリ梅の一部にカビが発生したことから、2014年11月8日〜11月9日に学園祭で販売されたカリカリ梅と梅干しを全て回収することになりました。
 カリカリ梅の購入者から2014年11月11日、梅の表面にカビが発生している旨の連絡があり、同ロットの商品を千葉県衛生研究所で検査したところ、原因物質がカビであることが判明したものです。
 これらの事件ですが、いずれの場合でも衛生管理責任者はいるはずです。看板だけの名前で実務は行っていなかったのでしょうか。困ったものです。

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★12月のニュースから

ラオックス、電動アシスト自転車のバッテリー自主回収

 ラオックス(株)は15日、子会社の神田無線電機が中国から輸入し、ラオックスや同子会社が販売している電動アシスト自転車のバッテリーに不具合があるとして、合計2万8959台分のバッテリーを自主回収すると発表しました。
 同社によると、「KMD-BC6」や「 KMD-BC8」など6つの型番のバッテリーが対象で、これまでバッテリーから発火する事案が4件発生しています。原因はバッテリー内の基板回路の設計に原因がある可能性が高い、と判断しているようです。対象となるバッテリーは回収のうえ、無償で新型バッテリーと交換されます。
 同社は対象バッテリーを搭載した自転車を保有しているユーザーに対し、バッテリーを外し雨水がかかる場所や燃えやすい物が近くにない場所で保管して、新型バッテリーに交換するようお願いしています。

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イワタニお料理バーナープロ III 、やけどや火災の恐れ

 岩谷産業株式会社は、同社が販売しているカセットボンベ式の「イワタニお料理バーナー プロIII」の一部に製造上の不具合があり、使用中にやけどや火災に至る可能性があることから、回収すると発表しました。対象は2013年12月から現在までに販売した製品としています。
 同社では、ボンベ接続部の取り付けビスの締め付け不足が原因で、接続部にすき間ができる可能性があり、ガス漏れが発生する一部製品が良品に混入して市場に流通、やけどや火災に至る可能性があるため回収するとしています。

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Achilles 「ゴムボート用電動ポンプ MB-80/MB-50」 交換

 アキレス株式会社は、ゴムボート用電動ポンプMB-80並びにMB-50の回収を始めました。 同製品の想定される危険性ですが、作動中に異物混入・内部接触等の原因により送風ファンが破損した場合、破片が送風口から飛び出すことや、本体の破損を引き起こす等、使用者またはその周囲の人の怪我につながる可能性があるとしています。
 同社では安全のため該当製品を回収、ホースを取り付けるなどの安全対策を施した製品への交換をすることにしました。手元に該当する商品がある場合、アキレス(株)のお客様相談室にご連絡するよう促しています。相談室へはフリーダイアル0120-89-4192(03-3225-2141)となっています。

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JINS、ファッションサングラス回収&返金

 株式会社ジェイアイエヌは、2014年4月〜2014年12月に販売した「ファッションサングラス」が、ジェイアイエヌの自主基準に基づき道路上での使用に適さないとして、販売を停止するとともに、販売済の340本を回収すると発表しました。
 対象商品名は、ファッションサングラス(イエロー(ミラーコート))、品番は UMF-14S-919A 54およびUMF-14S-919C 54です。

  2014 年12 月に同社で実施した品質調査の結果、同社自主基準に照らし、対象商品が信号光認知のための基準を一部満たさないことが判明、外部環境又は装用者のコンディションによっては、信号機の赤信号光及び黄信号光が認知しづらい可能性があるとして、対象商品は道路上での使用に適さないと判断し、自主回収を実施することにしたものです。
 また、これまでに対象商品の購入者からの問い合せや被害等の報告はない、としています。

 不具合の原因ですが、対象製品のレンズ性能の測定試験結果を、担当者が読み誤ったことが原因としていて、今後はチェック体制の充実に努めていくそうです。
 「道路上での使用に適さない」としていることから、ジェイアイエヌの自主基準というよりJIS規格に適合していないと言うことになるのでしょう。しかし同社の報道発表文書はこの辺りの説明については曖昧で、国の基準から逸脱したものではない、とでも言いたげです。

 運転用または道路での使用のため、 JIS規格では赤、黄、緑、青の色を識別できる色調が求められ、定められた信号光認知のための相対視感度減衰率(信号の誤認識防止)が定められています。しかし、このような基準を知らない多くの人には、同社は「自主基準に満たないから回収した」、つまり品質管理のしっかりした会社、というイメージを持つことになるでしょう。
 回収の公告では正確な規格・基準を提示、必要で有ればどの程度逸脱していたのかを知らせる、メーカー・販売会社の責任があります。今回の同社の回収に伴う文書は事実を隠す行為と思われ、CS的にはかなり問題がありそうです。

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IRIS OHYAMA 「トレーニングペンダント MBB-R1」 回収&返金

 アイリスオーヤマ製「トレーニングペンダント MBB-R1」が、総務省より電波法に規定された微弱電波基準の範囲を超えているために販売停止と回収の指摘を受けたことから、対象製品を回収し、返金の対応をしています。
 愛犬の無駄吠えには多くの飼い主が困っているためか、対策用製品にはさまざまなものがあります。 この製品は犬の首輪取り付け型ペンダントがリモコンにより振動するもので、犬が吠えたときのタイミングで操作するものです。
 犬の個性からか、これら製品には効果のあるもの無いものなど、いろいろ言われています。そのため「効果が無くても仕方ない」と諦めるケースが多いため、 メーカー側の製品設計などで手を抜いている可能性を感じてしまいます。

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接着剤一部から有害物質/3M スコッチ回収

 スリーエム ジャパン株式会社は、「スコッチ 超強力接着剤 プレミアゴールド スーパー多用途 ホワイト」から、法律で規制されている有害物質「トリブチルスズ化合物」が検出されたため、回収・返金すると発表しました。同シリーズの「透明」「ブラック」も対象となります。
 今回の回収は、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」で規制されている有害物質「トリブチルスズ化合物」が、品川区保健所より検出されたとの通知を受けたことによる対処です。
 トリブチルスズ化合物の含有量は微量で、通常の使用では健康への影響はないとしていて、これまでに健康被害は報告されていないそうです。
 同社では第三者機関における公定法の分析結果をもとに、いままで製品の安全性を確認して販売していたとしています。

 かつては貝やフジツボや海藻が、船底や魚網に付着するのを防ぐ目的で塗料に加えられていたトリブチルスズなので、名前は聞き及んでいた物質です。接着剤には数多くの化学物質が使われているので、物質間で生成されたのかどうか、原因を知りたいものです。

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