◆編集後記◆
今回は地雷除去のネズミの話です。カンボジアで活動する1匹のネズミ「ロニン」が、地雷除去の世界記録を打ち立てたのです。しかも、ただの記録ではなく、人の命を守るためのとても意義深い成果です。
ロニンはアフリカオニネズミという種類の5歳の齧歯類で、APOPO(アポポ)というベルギーを拠点とするNGOが育てた「ヒーローラット」プログラムの一員です。このプログラムでは、特別に訓練されたネズミたちが、地雷や不発弾(UXO)を嗅ぎ分けることで、安全な土地の回復を手助けしています。
このロニン、なんとこれまでに積み上げた成果は71個の地雷と38個の不発弾の発見。これは、前任の有名ネズミ「マガワ」の記録を上回る大記録で、正式にギネス世界記録にも認定されました。
「ネズミが地雷を見つけられるの?」と思うかもしれません。実は、アフリカオニネズミにはいくつかの特別な能力があるのです:
・非常に優れた嗅覚を持ち、わずかな火薬のにおいを嗅ぎ分けられる
・軽量なので地雷の上を歩いても爆発させることがない
・学習能力が高く、訓練によって任務を正確にこなすことができる
・寿命が比較的長く、数年間にわたって活動可能
このような理由から、地雷除去にとても適した動物として、実際の地雷原で活躍しているのです。
ロニンを支えるのは、ハンドラーのファニーさん。彼女はロニンの功績を誇りに思い、こう語っています:「彼は単なる資産ではなく、大切なパートナーであり同僚です。」
この言葉からは、ロニンとハンドラーの間に築かれた強い信頼と絆がうかがえます。ネズミだからといって、ただの道具として扱うのではなく、命を守る「仲間」として敬意を払っているのです。(中)
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