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新・信州人倶楽部

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第113号

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オンライン総会報告

 コロナの影響で総会はオンラインとなりました。昨年の忘年会と同じく高藤さんの協力で無事行うことができました。高藤さんにはありがとうございました。
 総会ですが4月18日の午後7時から開始、活動報告、新年度活動案、会計報告が行なわれ皆さんの了承を得て、新年度も中澤が事務局として運営することになりました。よろしくお願いします。
 決算報告書を以下に示しておきます。

 

 
長野 鉄雄

近況その他

 皆様、お元気でしょうか。私は今年のゴールデンウィークは当初、予定していた福井県への旅行を、予約していた宿をキャンセルして取りやめようかと思いました。
 ウィルスの変異株への感染の恐怖もありました。しかし、大勢で行動を共にするのならともかく、私のように独り者であれば、マスクや手洗いを励行して気をつければ大丈夫だと思ったこと、第二にキャンセルなどしてはこのご時世、宿としては金銭的に打撃を受けるだろうと勝手に考えて、キャンセルせず予定どおりに出かけたのでした。宿の話では、やはり緊急事態宣言の発出に伴い、他のお客さんからのキャンセルは多々あったとのことでした。最後、宿代を現金で支払いしたときの宿の人のどこか安堵したような表情が忘れられません。

 前にも申し上げましたが緊急事態宣言は、国民の生命、暮らし、財産を護ってこそなんぼのものです。本末転倒でなんのために開催するのかわからないオリパラを優先して国民を犠牲にするためのものではありません。
 普段は、国民から税金を徴収している以上、当然のことながら感染拡大防止のための自粛と補償は表裏一体でなければならないと思うのです。国会での審議をユーチューブでたまに視聴しますが、オリパラの開催とコロナに関する野党と政府のやりとりでまともな答弁をしない、政府側には不安と恐怖しか感じません。

 緊急事態宣言も効力をなさず、感染拡大している中で、医療崩壊の危機もありながら、まだオリパラの開催にこだわっている政府の姿勢に疑問を覚えずにはいられません。国民からせっせと税金を徴収しながら、国民の生命、暮らし、財産を滅ぼすのはご勘弁いただきたいものです。余談ですが、私の自宅は最寄り駅からバスで15分くらいのところにあります。そのバスは昼間30分に一本で、勤務先からの夜の帰宅時には40分に一本位で、このご時世最終バスは早く終わります。

 しかも、駅のバス停には屋根などなく、雨の時はとくに大変です。タクシーを待つにも少なく、30分は列に並ばなければなりません。今の大半の日本国民の経済を連想させる感じで辛いです。やがて、バス停に屋根ができ、雨風をしのぐことができ、バスの本数が多くなる日がやってくるのでしょうか。

 その前に乗客が滅びるなんてことは、あってはなりません。そうなる前に転居すべきでしょうね。気力、体力、財力があり転居できるうちに。そんなことを考える、今日、この頃です。

 

中澤 滋

農薬について

 日本は世界で最も農薬を使っている国の1つで、単位面積当たりの農薬使用量はOECD加盟37カ国中、日本は韓国と並んで最も多い大量使用国です。またOECDに加盟していない中国も、同様の数値であると言われているそうです。

 農薬の中でも昆虫に強い神経毒性を持つネオニコチノイド系農薬(以下、ネオニコ)は90年代に登場し、ネオニコが使われ始めると世界各地でミツバチが群れごと消える問題が発生しました。そして人間の脳にも影響する神経毒性があることが分かり、使用を禁止する国が相次ぎました。
しかし、日本は禁止するどころか、さらに残留基準値を緩和して使いやすいようにしてしまったのです。ではなぜ日本は世界に逆行して農薬の使用を増やそうとするのでしょう。
 理由はいくつか言われていますが、消費者が虫食い痕やキズのない野菜を求めるため、農家もそれに合わせて農薬を使うという説があります。さらに政府が経済を優先するため、生産者・企業がやりやすいよう残留基準値を緩めても厳しくすることがない。その姿勢がアメリカに言われるまま基準値を緩くしているともいわれています。でも一番の問題は「国産だから安全・安心」の言葉を鵜呑みにしている国民が多いためだと思います。 

 農薬の出荷量は殺虫剤より除草剤が多く、グリホサートが全体の6割超も占めています。これは、除草剤「ラウンドアップ」の主成分で、元はといえばベトナム戦争であらゆる植物を枯らす「枯葉剤」の製造に関わった現バイエル傘下のモンサントが開発したものです。
 ラウンドアップの毒性は最近の研究によると、その主成分であるグリホサートより100倍も強いと分かってきましたが、安全性試験ではグリホサート単独の毒性しか調べていないのです。そのデータで残留基準値が決められていることになり、基準値そのものが安心できるものではないのです。
ところで2017年、ラウンドアップがカリフォルニア州で発がん性物質に加えられたことで、製造会社のモンサントが訴えられる事例が相次ぎ、2018年には、なんと約320億円もの賠償金の支払いを命じられ、その後も敗訴し続けているようです。

 グリホサートの発がん性が広く知られるにつれ、この除草剤を禁止もしくは規制する国が増えいくのですが、驚くことに日本はこの流れとは逆行し、残留基準値を大幅に緩和したのです。例えば2017年には小麦を5ppmから30ppmと6倍に、ライ麦やソバは0.2ppmから30ppmと150倍も緩めています。ちなみにソバは18年度で輸入全体の約17%がアメリカ産であるのも気になるところです。
 発がん性が指摘されても、我が国ではホームセンターに行けば、子供でもこの除草剤を買うことができ、農業以外の駐車場や家の周りの雑草取りに使われています。

グリホサートは2000年に特許が切れたので、少し調べただけでも以下のようにたくさんの除草剤で使われていました。
 ハート 除草剤
 「グリホエース、スーパーグリホ」
 アイリスオーヤマ 除草剤
 「速効除草剤」
 日産化学 除草剤
 「ラウンドアップマックスロード」
 フマキラー
 「除草王シリーズ ザッソージエース」
 ヨーキ産業
 「グリホ41 MCP入り」

 さて日本が韓国と並んで発達障害大国であると言われていることをご存じでしょうか?農薬の使用が多い国ほど自閉症の有病率も高く、明らかに相関関係があるそうなのです。さらにグリホサートが結合しやすい受容体は脳だけにあるのではなく、肝臓や心臓、腎臓、肺と多くの臓器に存在するので、臓器にどんな障害が起こるか全く予測がつきません。 例えば、低濃度のグリホサートが腎臓の受容体に結合すると、活性酸素を発生させて細胞死を起こすという論文も出されています。

 グリホサートの毒性でもっとも影響が大きいのは、世代を超えて毒性が伝わることです。この毒性がグリホサートで起きることが分かったのは、ごく最近の2019年に発表された論文によってです。それによれば、妊娠中の母ラットに、ごく低濃度のグリホサートを1〜2週間投与したところ、母ラットも仔ラットもなんら影響がなかったものの、孫とひ孫の世代になって腫瘍や生殖機能不全、肥満など様々な障害が発生したというのです。別の実験でもやはり孫の世代で異常が現れているので、人間に当てはめてみると、親が摂取したグリホサートが、7、80年も経って孫やひ孫に障害となって現れるようなものだといいます。また、ごく少量のグリホサートでタンパク質を作る遺伝子発現のスイッチを狂わせ、高い確率で腫瘍を発生させたという実験も報告されています。こうした毒性は、胎児から思春期までの子供がもっとも影響を受けやすいと言われていて、妊娠中あるいは出産後の子育て中はとくに注意が必要です。

 さて新型コロナで重症化した人の腸内細菌叢(さいきんそう=細菌の草むら)を調べると日和見菌(健康な時はおとなしいが、体が弱ったりすると悪玉菌に味方する)が増えて善玉菌が減っていた、という論文があります。ネオニコは腸内細菌叢を変えることがわかっています。実はグリホサートも腸内細菌叢を変えるといわれていて、善玉菌を減らし悪玉菌を増やすそうです。
農薬にはこのような影響があることから、今世紀に入って潰瘍性大腸炎など自己免疫疾患やアレルギー疾患が増加しているのは、農薬を中心とした化学合成物質の増加との関係が疑われています。 

 では農薬による健康被害を免れるにはどうすればいいのでしょう。厚労省の試算では、日本人はグリホサートを小麦から46%、大豆から20%摂っているそうで、輸入小麦を使ったパンやパスタを食べているからと言われています。この試算では意外にも子供のグリホサート摂取量が多く、おそらく原因は遺伝子組換え作物(GMO)の大豆や輸入小麦を使った菓子類だと考えられます。最近は健康に良いという全粒粉のパンが人気ですが、全粒粉は通常のパンよりグリホサートが数倍も残留しているとのことです。国産小麦でない限り、全粒粉のパンや菓子は避けた方がいいでしょう。

 またグリホサートは、摂取すると体内から排出されるまで約1週間かかるため、普通に食べ続けていたら体内から消えることはありません。ネオニコでの実験結果では、5日間だけでも有機食材にすると体内の農薬は半減し、1カ月以上なら限りなくゼロに近づくそうです。

 ところで農薬大国と思われている中国ですが、有機農法ではここ最近飛躍的に変わっているとの情報があります。それをオーストラリアのサイトであるThe Conversationの記事「中国、有機栽培面積が5倍に増加」から紹介します。

 それによると2005年から2018年にかけて、中国では有機農業の栽培面積が5倍以上に増え、310万ヘクタールに達したというのです。これは実に岩手県の2倍以上の面積です。この結果、圃場面積では2017年中国はオーストラリアとアルゼンチンに次ぐ世界ランキング3位となりました。
そして有機農産物の売上トップ10は、米国、ドイツ、フランスに次いで4位となっているのです。さらに5位以降にイタリア、カナダ、スイス、スエーデン、英国、スペインと続きますが、アジアからランクインしているのは中国だけなのです。中には農地面積が日本の比ではないと考える人もいるようですが、スイス有機農業研究所(FiBL)の調査で我が国は0.24%と中国の半分以下しかないのです。

 有機栽培では中国の方が日本より進んでいる、ということは中国野菜イコール危険ではなく、むしろ日本の野菜の危険性を気にしなければなりません。

 

 

 

メールマガジンから

第134号/3月号から

第135号/4月号から

第136号/5月号から

編集後記


 先日テレビを見ていたら農業プラスチックが問題になっているとのこと。その中で気になったのは水田で被覆肥料(表面が、プラスチック等の殻で覆われている肥料)というものがあり、その肥料成分が溶出した後、被膜殻が水面に浮上し水田から河川や海洋等に流出しているというのです。

 そのため河川の河口に堆積したゴミの中から大量の肥料膜のプラスチックが見つかるのですが、それらを取り除くのがまず不可能だというのです。数ミリ程度の丸いプラスチックが色々なゴミに紛れているからです。初めて知ったことですが、こんな肥料があるのですね。

 農家は肥料をまいた後一定の時間が経ってから肥料効果が期待できるので、使いやすいのでしょう。商品の袋には排水に混ざらないよう対処しなさい、と書いてありますが、大雨で浮かんだ肥料の殻が排水に流れ込むのは止められません。排水路に網でフィルターをかけると草や藁のゴミですぐ詰まるので対策できないそうです。

 便利さを追い求めていくと循環の下流で環境問題を起こします。開発メーカーは環境全体を俯瞰して自社製品に問題ないかの検証をしなければいけません。〈中〉

 

 

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